花乃(Hanano)


鶴丸国永とは対照的な濡羽色に身を包む刀匠の少女。口数が少なく、何かを抑え込んでいるかのような無表情をつねに崩さない。闇のように濃い、絹の手触りの髪を切り揃えている。瞳は透明感のある黒。


■知りたいなら、近づかない方がきっといい。

自分から周囲に近づこうとはせず、日々のほとんどを鍛冶場に籠って過ごす。だが、主である審神者には純粋なまなざしを向け、彼もそれを許している。 刀匠としての力量はかなりのものだが、妥協を許さず、努力も怠らない人物。曰く、刀を造り続けることのみが己の存在意義であるという。


■過ぎ去っていく、光の束に。

どんな理由からかは不明だが、鶴丸国永に関心を持たれている。何もなくても、花乃の許をふらりと訪れては、言葉を交わす。ただそれだけなのに、特に何をしたという訳でもないのに、彼はいつも嬉しそうに微笑って花乃を見つめる。 然しながら、花乃はそんな彼の真意がつかめずにいる。


■それは、果敢ない夢だった。

いきること。それは、煌めいているようで、ひどく脆い在り方。ゆえに、自身を世界に繋ぎとめる「名」はとても大事なものだった。
刀に魅せられ、浮き世を離れた少女は、あらたに「花乃」という呼び名を得ることになる。刀匠である彼女の瞳は物事を真摯に捉え、必要でない限り深入りしない。鶴丸国永に対してもその態度は同じであり、人のかたちではない、刀としての「鶴丸国永」をただ見つめている。鶴丸国永は、本質を見る、その透明な眼差しをうつくしいと思った。けれど、自分たちが「刀」と「人」であると忘れた日はどちらもなく、それを進んで口にすることもない。


鶴花
共に在りながら、かけ離れた景色を映しあい、相手の傍らで冷めた体温を探す。ずっと一緒にいられないと解っているから、ふたりはそれ以上を望もうとはしない。あきらめとはすこし違う。ただ純粋にそばにいるだけ。変わらず、ひとりとひとりのままでいるだけ。たとえ世界中に己しかいなくなってしまっても、互いのことを想いつづける。紡いだ時間ごと、そっと胸にとじ込めて。


「鶴丸、お前だけだ。……私の一番は、お前だけなんだ。」



イメージソング King Gnu 「白日」