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  未完成小説2

どうしましょうね、余裕で二話作ってしまいました。今連載している原作沿いのお話をもう少し進めたいのも山々なのですが、こちらのネタばかり思いついてしまうものでして……。いやあうっかりうっかり(計画通り)先日投下したものの続きとなりますが、よろしければ追記からどうぞ。

連載しようか結構真剣に悩んでいます……どうしよう……


「そっかそっか〜、ヒロトだったんだね!晴矢はチューリップ変わんないし、風介は相変わらず袖ないね!」
「かつての幼馴染に向かって言う言葉がそれかよ!!」

あれから渋々降りてきた三人はなんとびっくり私の幼馴染達だったのである。それも服装と髪型が特徴的。特にヒロト、お前はどうした?ちょっと晴矢に髪型似せてきたな?あとそのピチピチスーツはどうした?サッカーやめてレーサーになったか?そんな質問を引っ切りなしに出していくと、ヒロトではなく晴矢が「あーーー!!」とイライラするように叫んだ。更年期かお前。

「俺たちはお前に言いたいことが山ほどある!」
「奇遇だね、私もだよ」
「ほう?お前なんかが俺たちに言いたいことがあるなんてな。許してやる、言ってみろ」
「私の家にアイスあるんだけど食べる?」
「食べる」
「おい風介!?」

さっきの宇宙人(仮)と同じように「ペースに飲み込まれるな!」と晴矢が風介の肩を揺さぶる。そこで話を切り替えようと、ヒロトがわざとらしく咳払いをしたのでちらりとそちらの方を見る。

「#name2#、君にはエイリア学園のサッカー部としてチームに入ってもらう。ちなみに拒否権はないよ」
「えっえ〜……確かにサッカーは好きだけど今好きなの卓球だからパス」
「…君は拒否権という言葉を知っているかな?」

え?ああそう、拒否権ないの。と、あっけらかんと呟くとヒロトは変な顔をして深い溜息をついた。ここで「溜息つくと幸せ逃げるよ」なんて言ったら次こそは殴られるだろうから言わないけれど。

話を聞く所によると、かつて”お日様園”で一緒に過ごした幼馴染達と父さんが一丸となって地球を滅ぼすべくサッカーをやる宇宙人ごっこをしなければいけないらしい。そこで、お日様園から抜け出した私はそこそこサッカーが出来る少女だったのを思い出して誘拐したとの事であった。色々と突っ込みたいが、キリが無いからやめておこう。

一番気になるのは父さんと姉さんだ。まず父さんはあの菩薩顔で私達を優しく見守ってくれていた筈だ。なのに、何故急に地球を滅ぼすという考えに至るのだろうか。それに、まるでそれじゃあ私達を利用しているみたいじゃないか。

そして、姉さん。さっきから姉さんの名前が一度も出てこない事に疑問を感じた。

「ねえヒロト、姉さんは?」
「っ、姉さんは……。姉さんは、俺たちを裏切ったよ」
「………」
「俺たちの事なんか、何も考えずに出て行ったよ。本当、あの人は薄情……」
「……煩い」
「#name2#?」

姉さんの事を悪く言われるのに耐えられなくて、思わず出た声は驚くほど低かった。ふるふると震える手を痛いほどぎゅっと握ると、じんわりと血が滴るのが分かる。怪訝そうな顔でこちらを見るヒロトの顔を捕らえ、カッとなって口を開く。

「姉さんを悪く言うな!私はまだ全てを理解した訳じゃない、けど。父さんも父さんでおかしいんじゃないの?世界征服みたいなのを企んで、ヒロト達のサッカーで潰そうだなんてさ、……まるで私達を道具として扱っているみたいじゃん」
「そっちこそ父さんを悪く言うな!部外者が今更何を口出しするんだ!…それに、お前も姉さんと同じ裏切り者だろう」
「っ、ヒロト、それは…!」
「黙れ!…もういい、俺は下がる」

くしゃりと顔を歪ませたヒロトは、くるりと半回転すると扉を開けて出て行った。私は肩の力が入っていた事に気が付き、ふう、と息を吐いて自分を落ち着かせる。こうしてムキになるのは久しぶりだから、つい言い過ぎてしまった。勿論、大好きな姉さんの事を悪く言われるのは嫌だけど、だからと言ってヒロトと喧嘩したい訳ではない。本当は、喧嘩なんて何より大っ嫌いなのだ。

ふと、乱雑に肩に置かれた手に気が付いて横目で確認する。

「珍しいな、お前があんな熱くなるなんて」
「……ごめん、晴矢、風介」
「…相変わらず意味の分からん奴だ。ここで俺たちに謝るなんて、お人好しにも程がある」

あはは、と曖昧に笑って見せると、二人は呆れた様子でため息をついた。先に謝らなければいけない人物は勿論ヒロトなのだけれど、こうしてまた喧嘩で迷惑を掛けてしまった二人に対して謝罪するのは当然の事だ。

風介は話題を変えるように「それで」と切り出した。

「脱走する様子もないのなら、まあ大丈夫だろうな。来い、お前の部屋へ案内する」
「…破壊がどうこうとかは分からないけど、風介達がいるのなら脱走する理由は無いよ?」
「そういう所だぞ、お前」
「えっどういう所なの」