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  まほやく フィガロ小ネタ

フィガロの小ネタです
・夢主≠賢者
・北の魔女
・設定濃いめ
・後半台詞のみ
北の魔法使い。双子の弟子。フィガロよりも古参で年上。いつも笑顔を絶やさず笑顔を貼り付けているため『謎の多い北の魔女』と呼ばれている。よくフィガロの姉ぶって接しているが、フィガロは夢主を姉と呼ぼうとしない。いつもフィガロに拒絶される。それでも「ひどい事言うなあ」と笑いながら返すのが夢主。

他人を殺す力も自分を守る力もあるが、うっかり自分を守るのを忘れる事がよくある。何度も死んで何度も生き返っている不死者だと周りに思われているが、実はただの強運の持ち主。死にかけた所を間一髪救われる、という流れを毎回続けているだけで一回も死んだことはない。

ある日フィガロの前でそれをやり暫く帰ってこなかったため死んだと思われていたが、フィガロが賢者の魔法使いに選ばれたくらいの時に再会する。


「やあ。君がフィガロかな? よろしくねえ。私の事は親しみを込めて『おねえちゃん』って呼んでくれてもいいよ」
「……嫌だよ」
「ええ、何それ傷付くなあ。断るにしても言葉選びをしっかりして欲しいよね。北の魔女って言ったって私はまだ未熟だし、こう見えて心は繊細なんだから……って聞いてる?」
「聞いてない。俺、おまえの事姉だと思うつもりないからね」
「ああもう生意気! でもそんな所も可愛いと思っちゃうのは姉のサガってやつかなあ。甘えたい時はいつでも私の元へおいでね。おねえちゃんがとびっきり甘やかしてあげよう」
「話聞かないのはそっちだろ」


「おまえさあ、なんでそんなに俺の姉になりたがるの」
「なんで、かあ。それは聞かれたこと無かったなあ。そうだね……友人より『家族』の方が良いと思うから、かな」
「家族?」
「そ。だって、家族ならどんな時でも隣に居られるだろう? 家族が隣に居ることに、理由なんていらないからさ。だからつまり私は、いつだってフィガロの隣に居たいんだよ」
「……随分熱烈な愛の告白に聞こえるけど?」
「あはは、照れちゃって。フィガロはかわいいなあ。ま、私のこの言葉をどう解釈するかはフィガロに委ねるよ。姉としてフィガロの隣に居たい私を思想するもよし、恋人としてフィガロの隣に居たい私を思想するもよし。なにより、フィガロ自身が考えるという事が重要なのだからね」
「俺はおまえのそういう所が大嫌いだよ。姉と思えなんて言う割には、分厚い壁を一枚隔てて何ともない顔でのらりくらりと躱すだけじゃないか。触れさせてもくれないのに、どうやって傍にいろって言うんだよ」
「……だめだよ。触れたら、私の幸運呪いがきみの人生を邪魔するからね」


「ああいけない、また死ぬ所だった」


「全く私は幸運だ!」
「それが死にかけてた奴の台詞? やっぱり北の魔女は恐ろしいね」
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