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しかし、ハンターというのは様々な種類がいる様で、触手を持った奇妙な生き物だったり、かと思えば骸骨のようにひょろりとした生き物だったりと、想像の範疇を超えるものばかりだった。ならば、今回のハンターは一体誰なのだろう。同じハンターというケースも捨てきれないが、新しいハンターであれば注意深く行動しなければ。
「名前、あっちは任せるわ。私はエマの救助に向かうから」
「分かった。気を付けてね、エミリー」
仲間である医師のエミリーはその名の通り医療に精通しているため、治療を最も得意とする。そのために仲間を助けに行く事は頻繁にある。私自身もハンターの動きを誘導する事は得意だから一緒に助けに行く事も少なからずある。
私はエミリーに任された、暗号解読をするべく解読機を探して走り始めた。間もなく解読機の目印である明かりを見つけ、周りにハンターがいない事を確認してから解読を始めた。庭師であるエマのように素早く解読をする事は出来ないが、なるべく早く終わらすように、けれど失敗もしないように慎重に進めて行く。この解読機の音でハンターに居場所がバレてしまう事もあるが、気にしたら負けだ。進めたくても何も進めなくなってしまう。今はこれに集中しなければ。
「…あともうちょっとだ」
残り30%と言った所か。もうすぐで終わると実感した途端に解読を進める手が早くなる。失敗しないように、慎重に。その言葉を頭の中で復唱させて気持ちを落ち着かせる。良い感じに集中力が高まって来た頃、解読終了の合図である明かりがぱっと点された。辺りが明るくなると途端に緊張感が解れ、肩の力もふっと抜ける。
「やっと終わ……っ!?」
やっと終わった、早くゲートへ向かわなければ。安堵が混じった呟きは途中で途絶え、私の意識は首元に当てられた刃へと向けられていた。
不覚だ。全く気がつかないなんて。ハンターへの反応が遅いのは自分の欠点だと把握はしているが、どうにも改善する事が出来ない。
私は恐る恐るハンターの顔を確認する。今度はどのハンターだ?刃物…と言えばリッパーだが、まるでサバイバーへの挑発の仕方が異なっている。刀……なら美智子がいるが、あれは短刀だ。これほど長い訳が無い。そんな私の思考回路は、今回のハンターの姿を見た瞬間吹っ飛んでしまった。
どうしてだろう。何故、彼がここにいるのだろうか。家同士の交流があり、幼少期よく一緒に過ごした彼が、何故。
こればかりはどれだけ頭を回しても理解出来なかった。親しい友人が、こんな所で敵になるだなんて。
「……ジョゼフ」
小さく呟いたその言葉は私の体を切り裂く刃物によりかき消され、私は無情にも体をぐったりと地面に下ろした。なんで、なんで、なんで。そんな思考の中でもジョゼフは私を抱き上げ、ゆっくりとロケットチェアの方へと進んで行く。
「……悲しいね、名前」
私は縛られ、ロケットチェアが飛んで行く間際。彼が悲しげに顔を歪めてそう語りかけた事なんて、それどころではなかった私は知る由も無かったのだ。