例えば、あちこち落とし穴があるのにゆっくりとのんびりとした安定がある空間の中にいるような感じに火神と木吉が散歩していました。
愉快そうに笑う木吉はあ、鳥だ。食べられるかなー?とさらりと怖いことを言う。
一方、不機嫌気味になっている火神は木吉が言う鳥を見ると、不味そうだから食べない方がいいすよと助言する。そっちもそっちでどこかが抜けている発言をする。



突然、火神が落とし穴にうっかり落ちそうになったら、いつも手を強く掴んでくれるのは木吉だった。頼りがある大きな手がしっかりと強く。掴んで。
そして、ハラハラと心配したかのように笑いかける木吉がいる。


はたまた反対に木吉が落とし穴に落ちそうになったときはきっと火神は手をのばすものの、すれ違うだけで掴み損ねるだろう。
まだまだ、火神は木吉のことを全て理解していなかった。更に、苦手な部分もあった。それでも、火神は木吉の後ろを追いかけるなんて馬鹿なことをしない。最初から知っていたのだ。木吉が自分から這い上がってくることを。
しかし、木吉を助けることすら、何にも出来なかった火神は悔しそうに顔を歪むだけだった。


それでも、二人は一緒に散歩していく。
うっかり落とし穴に落ちてしまって、服が汚れていても、ワニの池に落ちてしまっても、針山のような奈落に落ちてしまっても、身体が見えなくなるくらいに深い奈落に落ちてしまっても、こりゃあ痛いなあとギャグ漫画にありたきりな展開を繰り広げるから、全部全部大丈夫だった。