「ザップさん、」

少年は涙が止まらなかった。喋る度に自分の寿命を縮めているのが分かった。はら、はらと、花びらがどんどん咲き溢れていく。
群青、真紅、黄金、深緑と、鮮やかな色のした花びらが少年の口から実際に溢れているのであった。

「好きでした」

最初は冗談かと思った。
自分の口から花びらが溢れたときは。しかし、それは間違いなく花びらそのもので触り心地は実に気持ちいいものではなかった(唾液とか付いているから当然だ)
あまりの出来事に驚く少年はただただ疑問を浮かべた。そばにいた少年の先輩は度し難い屑で女たらしでだらしない奴でも状況は普通ではないと察した。

「……何でしょうこれは」

喋る度にはらり、はらり、花びらをこぼす。このままでは職場の床を埋め尽くしかねない。

▼奇病