最近、天馬はボーッとしている。それはとてつもなく感情が無さそうにボーッとしている。 最近、優一さんとは別れたばかりだ。確か、剣城京介君のインタプト修正に生じしたエラー曰わく天馬の正しい世界ではのバグとなってしまった。バグ、と思えば本当に嫌な気分だ。エラーと言えど、優一さんには過ごしてきた十八歳の人生が確かに存在していた。でも、それは嘘みたいにあっと言う間に消えてしまった。彼の人生の全てを一瞬に白紙にしたことに。 でも、優一さんは今まで生きてきた自分を否定して、天馬の世界にいる優一さんの状況を海の広さのような包容力で受け入れた。そして、弟の為に自分の人生すら、捧げた。 その時の天馬ったら、………悲しそうな顔をしていたんだよね。ああ、僕まで悲しい気持ちになってしまうじゃないか。何で悲しむのかな。分からないや。 「ねえ、フェイ」 天馬から力無い声で話しかけてきた。やっぱり、優一さんのことに関係しているのかなと思いながら、何?と首を傾げた。 天馬の次の発言で僕は身を投げたくなってしまった。ああ、これが悲しいのかな。じゃあ、悲しいんだ。だったら、僕は何で笑うかな。嬉しいのかな。うん、嬉しいよね。矛盾している感情に僕は受け入れることが難しかった。 「 」 |