「おい」
『んー?なぁにトラファルガー君』
「お前、ゾロ屋が好きなのか」
日陰でゆっくりとサンジ君が作ってくれたジュースを飲みながら海を眺めていると、突然隣に座ったトラファルガー君から質問され飲み物を喉に詰まらせる。
え?好き?それは、Like?Love?多分聞き方的には後者の好きだろう。
『んー…好きだけど、君の思ってる好き…とはまた違うかな。』
「…なら、ゾロ屋はお前の事好きなのか。」
これまた難しい質問だ。確かに一緒に居る時間も長いし、嫌われてはないだろうけど、本人が私をどう思ってるなんて、考えたこともないし、考えたって分からないと思う。
嫌いではないんじゃないかと答えを濁すも納得はいってない様だった。だって、分からんもん。
『まぁ、ゾロは面倒見が良いからさー、遊んでもらってるのよ。ほら、お兄ちゃんと妹みたいな…そんな感じだし。』
「…お前俺と年齢近いぐらいだったよな、年上なのに妹なのか、」
『ちょっ、そこは突っ込まなくて良いのよトラファルガー君…』
参ったなぁー、と髪の毛をガシガシかきながら視線を外す。なんだろう…こんな話をするのって、とっても気まずい。しかも、凄く見つめ……睨まれてる気がする。何か私は悪いことしてしまったのだろうか。
「基本誰とも距離が近けぇが、ゾロ屋とかなり親密そうだったからな。気になっただけだ。」
『…そんなに近い?本当何も考えてなかった…』
そうか、と呟きながらゆっくりと腰を上げたトラファルガー君。なんだ、本当にそれが気になっていただけなのか。でも気になるって事は他の人も気にしている距離なのだろうか。そうなったら、少し距離感ってのも考えないといけないよなぁなんて考えていたらどんと真横で音がしたもんだからぱっと顔を上げたら顔の右横に伸びる腕に、先程まで隣にいたはずのトラファルガー君の顔が真っ正面にある。
あれ?これもしかすると壁ドンとかいうものじゃなかろうか。
『えっ、』
「人様の船で奪い合いなんてそんな事、しちゃいけねぇと思って何も手は出してこなかったが、奪う相手も居ないなら話は別だ。貰っても文句はねぇな」
ニヤリと笑ったトラファルガー君の言った意味が分からずただ、固まる事しか出来ない私にゆっくりと近付く顔、息する音も明確に聞こえる。
「…名前」
『っっ?!』
名前を呼ばれはっと我に帰り反対側から勢いよく脱走する。逃げ込んだ先でフランキーがびっくりして話しかけてきたが今はそれどころじゃない。扉を閉めて、ゆっくりと雪崩れ落ちた。さっき呼ばれたあの低い声が、耳元で今でも聞こえる気がする。思い出すだけで全身が熱い。
フランキーが青春だの恋だ愛だの言う声も全然私の耳には届かなかった。
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凄く気になる子がゾロとめちゃくちゃ仲良くて、自分から聞きにいったロー君。
この後会うたびにちょっかい出されてお手上げになる夢主。