最近の悩み


私はこの春で関西から上京してきた大学生だ。癒しの個性を持っている私はこの力を世のために使いたいと思い遠くの設備の整った大学に進学した。初めての独り暮らし、初めての家事、初めてのバイトを始めた。関西弁だから友達が出来るか心配だったのだけどもそれなりに交遊もできて安心した。うん、そこまではとてもいい大学デビューだったと思う。
もう一度言おう、そこまでは!だ!!

「おい」

「ななな、何か?」

「何かねぇと駄目なのかよ!」

「そそそそんな事はありませんよ!」

「ふーん」
恐らく近所に住んでいると思われるヤンキー君に絡まれるまでは。彼は私のご近所さんだそうでよく最初は見かける程度だったが気づけばこのように見つけられたらガンを飛ばして話しかけてくる。…話しかけるではないな、これはヤンキー特有の絡みだ。きっと私が上京したてということに気づいて脅そうとしているのだ!ヒィイ都会のヤンキー怖い!!

「…」

「…」

「…」

「何か喋れやぁ!!」

「理不尽!」

「口答えすんな!」

「すみませんでしたぁ!」

「チッ」

「(舌打ち?!!)」
その道端で私は彼とまた遭遇した。最近はほぼ毎日ストーカーされているのではないかと思うくらいによく出会いそして絡まれる。気にくわないことがあれば怒鳴られる。このままでは私は都会の風俗にでも売り払われるのではないかと思う。きっとどこかのヤバイ組織とかとお友だちであろう。となれば!と私は仕方ないとため息をついて財布からおろしたての五千円札を彼に差し出した。あばよ、私の食費。この生け贄にて私は彼から逃げるぜ!今日からもやしが私のスタイルになるのよ!

「…はい、」

「はぁあ?!んだよこれ!!」

「お小遣いが欲しかったんでは」

「いらねぇよ!!」
要らないのかよ!

「もっと寄越せと?すみません給料日前なので…これくらいしか」

「だから金じゃねぇって!」

「風俗に売られるの?!それだけはっ」

「なんでそうなんだよ!!」
違うの?

「…もしや、貴方」

「…」

「今日私の母上から届いた高級食パンが狙いですか?!」

「いやぁ、実はあれ大量に送られて来ましてもしよろしければ差し上げましょうか?」

「…じゃあ、貰ってやるなら家にあげろや」

「よかったー、それでは家に取りに…ん?家にあげろとな?」
そそそそそんなっ

「おう」

「私は一人暮らしの学生なので質屋で売れそうなものなんてありません!」

「あぁ?!」
どうやら違うらしい

「さぁ!向かいますよ!」
びびってしまって彼に家の場所を教えてしまった。後ろについて歩くヤンキーは並々ならない不機嫌そうな面持ちでこちらをみていた。怖いわ!アホ!


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