敵軍が学校まで!


「びびちゃん、あれから山田君とどうなったの?」

「あー、あのあとね」
講義が終わりまだ日も明るいし凛子ちゃんと食堂で間食をしながらたむろしていた。その時に先日あった合コンの後の事を聞かれた。私は素直に勝己君もとい付きまとわれているヤンキーに連れられて帰った事を説明したが、凛子ちゃんの顔は何とも言えない表情をしていた。

「なにその修羅場」

「というかびびちゃん年下キラーだったのね。てか愛されてるねぇ」

「え」

「だってほら」
凛子ちゃんが指差したその先には高校の制服を着た少年がキャンパス内をうろうろとしていた。

「ヒィイ!!」
私の反応に凛子ちゃんはやっぱりあれかと渋い顔をしたが、騒動になりたくないのもあり一言凛子ちゃんに謝り勝己君の方へ向かった。

「勝己君!何でここに」

「あぁ?通りすがっただけだよ」
嘘付けや。てかそれ前にも言ってたやん!

「ごごご用件はっ」

「ねぇよ。ただ大学ってどんなもんなのか見たくなった」
通りすがったんじゃねぇよかよ

「てか何でここやってわかったん?」

「家に大学のパンフレットあった」

「オーマイガ!!」

「うるせぇ!」

「すみません」
ふふ、前回酒の力で勝己君と打ち解けたように思っていたのだが素面ではまだ怖い事にはかわらないのさ。

「大学っていうから凄いもんかと思ったが大したことなかったな」

「そそそそうかいな、ならもういいやろ?帰ろうや」

「授業は終わったのかよ」

「とっくに終わって友達と喋ってたんや」

「男かそれ」

「え?ううん?女やよ。どないしたん?」

「なんでもねぇよ!」

「(何故怒鳴る?!)」

「携帯貸せよ」

「え?何で」

「あぁ?」

「はいどーぞ!!」

「チッ……おらよ」

「おおこれは、勝己君の連絡先や。主人とかじゃなくてよかった」

「っそんな趣味ねぇよ!!」
勝己君が怒鳴るから周りに人が集まり始めてきた。元々勝己君自身が高校の制服を着ているのもあり不審に思う人も増えてきそうだったので私は勝己君の手を掴みバス亭まで走った。その後すぐにバスが着たので最寄りのバス亭まで一緒に乗ることにした。

「…寝てる」
勝己君はヒーロー科であることからも体を使う事が多いのだろう、気づけば寝ていた。いつものような威圧感はなく眉間にシワもない。私は素面では始めて勝己君の髪を撫でた。擽ったそうな顔を一瞬し起こしたとドキッとしたが目は閉じたまま。

「こうやって寝てたらかわええのになぁ」

「っ、」

「髪の毛針鼠」

「何触ってやがる」

「ごごごめん、起こしてしもうたよな?それに私ごときが勝己君の髪の毛を」

「触ってたいなら触ってろ」

「え」

「俺は寝るから着いたら起こせよ」

「え?ちょっと勝己君、」

「…」
これってつまりは撫でてて気持ちがいいということ?!というか前回は酒の勢いでポメラニアンに見えたが今も見えてくる。



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