あれ?あれれれ?
それからも勝己君とのよく分からない関係は続いた。遊びに行くぞと言われたら行くし(強制的に)、飲み会では迎えにきてくれる(不機嫌そうに)。ほぼ毎日勝己君に絡まれていたのだったが最近は全く会えていない。理由は勝己君が林間学校だったり、そこでヴィランに監禁されたりしていたからだ。私はというもの勝己君という呪縛から解き放たれ解放感に満ち溢れた生活を遅れると思っていたがそうではなかった。正直に言おう、物足りないのだ。携帯にて連絡はこちらからは控えていたしいつもは勝己君が会いに来てくれることが多かったのでそんな時にどうしたらいいのかわからずに時が過ぎていた。心配していないと言うと嘘になるが五体満足で怒鳴りながら帰ってくるビジョンしか見えないのでそれに関しては気にしてはいない。ニュースで勝己君が無事に取り戻せたと言われて自分のことのように安心した。私は順調にサンドバックとして勝己君にまんまと調教されてるようだ。くっ飴と鞭の使い方が上手いわね!でも屈しないわ!!
「よぉ、」
「勝己、君。久々だね」
「おー」
そんな中やはり勝己君は私の前に現れた。監禁されていたとは思えないほどにピンピンしているが心なしか元気がなさそうだった。
「大丈夫なん?」
「見たらわかんだろ。ぴんぴんしてるわ!」
「ははは、よかった、」
とは言えど声にあまりいつもの覇気がなかった。しかしこうして戻って来てくれたことに私は少しだけ嬉しく思った。
しかしながら次の勝己君の言葉に私は思考を停止させた。
「…明日から寮に入ることになった。もうお前に会えねぇ」
「え、」
「…強くなりてぇんだ。誰よりも。誰にも守られねぇように、だから」
「そっか」
「何で泣いてるんだよ」
そう言われて自分の頬を触ると濡れていた。あれ?泣いてるの私。
そうか私は寂しかったのだ勝己君がいなかった事を、そしてこれからも会えないと言われ悲しいのだ。ん?待てよ。それって心身ともにもう既にサンドバックになってない?
戸惑っていると勝己君は硬い手のひらで私の涙を拭った。
「…びび」
「勝己君?」
名前を呼ばれ勝己君の方を見ると視線が交わった。あれ?勝己君こんなに顔整ってたっけ?あれだけトクンクしないと心に誓っていたのに私トクンクしている!奴隷になるの私?!サンドバックになるの?!!
「………せいぜい待ってろや。一番強い、ヒーローになってやる。」
「…勝己君」
「だから俺のいない間に男作んじゃねぇぞ」
ん?
「それって、奴隷として?」
「なんで奴隷なんだよ!!」
違うの?!
「サンドバック?!」
「違うわ!ボケ!!」
「え、じゃあ」
「っ恋人だ!!言わせんなよ!!てかもう夫婦でいくからな!!」
「はぃい!!」
最後は本能的に敬礼して返事をした。その手を引っ張られ勝己君とは思えないほど優しく突然キスをされた。もう思考が追い付かない私に勝己君は勝ち誇った顔をして言った。
「マーキング」
ここにきて勝己君はやはり勝己君だった。
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