とくんく


「それって告白じゃない?それもプロポーズ」

「ぶぅうう!!」

「きたなっ!」
凛子ちゃんに勝己君とのことを相談していたらやはり私と同じ結論になったので飲んでいたキャラメルフラペチーノを盛大に吹いた。やはり勝己君は私の事を奴隷にではなく女としてみていたと言うことかなんて勝己君の言葉で気づいた。凛子ちゃん曰く見てたらわかるから私が鈍感なだけとのこと。くっ悔しいが今思えば勝己君との戯れは恋心あってのものだとすれば絡んできたのも納得した。その答えを私は勝己君と会えなくなってからの数年でまだ悩んでいた。彼と私の年の差は四歳差でプロヒーローとなる彼には私よりももっといい人がいるのではないか、というか下宿してからというもの全く会わなかったのもあり私のこと忘れてない?なんてネガティブな事を考え悶々としていた。私はというと合コンに付き合いで行ったりして男の人といい雰囲気になったりしたがそこで勝己君の事を思い出してしまうので踏みとどまっていた。それに学業も実習があったりと本格的に忙しくなり恋など考えている暇がなくなったことが幸いしひたすらに勉強した。そして実習も無事に終わり一段落しあとは国家試験を受けるのみとなった。
勉強も一段落ついて家路についたときに後方から聞きなれた大きな声で呼ばれた。

「おい!」

「かかかか勝己君?!」

「ニュースみたか?」

「ニュース?」

「チッ」
かれこれ数年ぶりでだいぶ男っぽくなった勝己君だったが横暴な中身は変わらないらしく、私の反応に舌打ちし手を握られて私の家に向かった。無言で鍵を開けろと威圧をかけられびくつきながらドアを開けた途端に勝己君は自分の家のようにずかずかと中に入っていきテレビをつけた。そこに、写し出されたものは新人王を、とった勝己君だった。

「うぉー!凄いやん!新人王?!」

「あたりめぇだ、それくらい」

というか
「数年間あんまり会わんかったけど男らしくなったなぁ」

「はぁ?」

「ほら身長もだいぶ差がついてしもうた」

「お前は相変わらずみてぇだな」

「前よりも自炊頑張るようになったわ」

「どうだかな」

「酷いわぁ」

「おい、約束破ってねぇだろうな」

「う、うん?ちゃんと単位取ってたよ」

「違うわ!」

「ヒィイ!いつもの勝己君や」

「とりあえずここにサインしろ」

「え、なにその悪徳商法的なノリは」

「早くしろや。役所が閉まる」

「ちょっと待ちぃや勝己君?!これ婚姻届ちゃうかいな?!!」

「そうだよ」

「私達付き合ってないやんな?ぶっ飛んでない?!」

「どうせ貰い手は決まってんだ。別にいいだろ」

「…勝己君、」

「んだよ」

「もしかしてもしかするとやっぱり私の事好きやったんか。でも私年上やし」

「関係ねぇよ。お前が俺の事が嫌いで仕方ねぇっていうなら出ていけ。」
ここ私の家な勝己君。

「何でやろうな、勝己君の事元々糞ヤンキーで私の事を苛めるのが好きなだけやと思っていたし怖かった。せやけどこの数年間勝己君がいないと寂しかったわ。」

「糞ヤンキーは取り消せや」

「そんなん言われたって」

「好きだ」

「うちもや」
私が笑うと勝己君が笑った。それに胸が高鳴った。まさか私がヤンキーとこういう関係になるなんて思いもしなかったよ。そして気づいたら左手薬指に勝己君らしいというかなんというかド派手なダイヤモンドが付いた指輪がはめられていた。重いよ勝己君。

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