会社の飲み会に少しだけ顔を出すつもりが長引いて、結局進められるがままに飲んで頭がぼーっとし始めた頃。

別の飲み会に行っていたはずのビョリが来たと思えば、周りに適当に話す彼女に腕を引かれて一緒にタクシーに乗せられた。



『っん、ビョリ…』


「儚…」



タクシーの中で指を絡めてきたビョリもだいぶアルコールが回っている様子で、その熱が灯った瞳を他の人にも見られたのかと思うと少し悔しかった。

ビョリの部屋に入るなり玄関の壁に押し付けられて重なった唇は熱い。細い首に腕を回して引き寄せると、キスはもっと深くなる。



「儚…私の…」


『あ…っ』



うわごとのように呟きながら、耳の裏から鎖骨に伝う舌。
シャツのボタンを中途半端に外されて、胸の膨らみに軽く噛みつく。
片方の腕で私の腰を抱いて、片方の手でブラジャーの上から胸を揉まれる。



『ビョリ…あぁ…』


「ん…」



カップをずらして晒された乳首を、柔らかい舌を絡ませるようにして舐められる。もう片方も指で刺激されて、力が抜けていく身体に上目遣いに私を見る。
ビョリの頭を抱き締めるように包むと、足の間にビョリの膝が入ってくる。
胸への刺激はそのままに、片手はスカートの中に入ってきてストッキング越しに内腿をなぞる。
性急さを感じさせるそれに、自分の身体もどんどん熱くなっていく。



『っあ…ビョリ、だめ…』


「だめ?」


『だって…こんな所で…ん、ぁ…』



とうとう下着の中に入ってきた手は、入り口を撫でるように動くだけで、物足りなさを感じてしまう。



「でもここ凄いよ?」


『やぁ…あ、ぁ…』


「ねえ儚、気持ちいい?」



こんな場所で、こんなにはしたない格好で、アルコールの回る頭で、ただ欲に忠実になるしかないなんて。いい年した女が情けない。
そう思っても、意地悪く微笑む顔に、欲に毒された身体に、なけなしの理性が崩れ落ちるのが分かった。

小さく頷くと私の唇を塞いで、中にビョリが入ってくる。



『んんっ…ん、ぁ、あぁ…』


「ふ、可愛い。」



愛しい彼女からの待ちわびた快感。
力の入らない腕で必死にビョリを抱き締めると、指はどんどん奥を刺激してくる。

ぼやけた視界に映るビョリも私と同じ、熱に浮かされた顔をしていて。
今日はどこまででも彼女が欲しい。本能的にそう思った。



『あぁ!、っ…そこ、や…』


「ここ好きでしょ?」


『やあぁっ…!ビョリ、そ、な…あぁ…』


「ふふ、凄い狭いよ儚の中」


『ん、っやめ、…ああぁ…』



私の身体を知り尽くしている彼女は、弱い所ばかり撫でてくる。
耳元に響く低くて甘い声に、的確な所だけに触れる指に、簡単に達してしまいそうになる。



『ビョリ…あぁっ、ビョリ、もうだめ…も、あぁ、ぁ…』


「いっぱいしてあげるから、いっぱいイっていいよ。ほら…」


『っんあぁっ!あぁ、や、ビョリ…だめ、イく…っあぁっ…』



乳首は軽く歯を立てながら舐められて、指は速さを増す。与えられる快感を逃そうとせず、何も考えられない。



『あぁっ、イっちゃ…っああぁん!』



痙攣する身体と乱れた呼吸を落ち着かせたくて、ビョリの肩に額を預ける。



『はぁ…ビョリ…』


「ん、」



頬を持ち上げられて、啄むようなキスを繰り返される。
暖かくて心地良くて、でも、身体は熱いままで。



「おいで…」