「もしもし木手くん?わたしわたし」
「・・・・一体なんの用でしょうか」
「やだなあ木手くんなんで不機嫌なの?あっ今日はバレンタインだね!」
「・・・そのようで、アナタはどうせまだ東京にいるんでしょう」
「そうだよ、木手くんが襲いかかる女子たちを華麗な縮地方でよけるとこみられなくてすごく残念なの」
「・・・・それで、用件はなんなんです」
「・・・・ふふ、今日わたしは木手くんがほめてくれたワンピースをきています!」
「・・・はあ」
「さらに!木手くんがにあうってほめてくれた髪型だよ!えっと、わかる?バレッタの」
「わかりかねます。それにそのバレッタは先日なくしたと騒いでいたはずですが」
「木手くんやっぱりわかってるんだね!バレッタね、コートのポケットにはいってたの」
「・・はあ」
「でね、さらに木手くんがくれたイヤリングしてるの、あの金の。」
「随分とめかしこんですね」
「妬けちゃう?・・・下着もね、木手くんがすきなやつなの」
「・・・・ああ、あのレースの」


「木手くん、会いたかった?」
「何を今更。・・・当たり前ですよ、バレンタインでなくとも一度だってアナタを忘れた日はありません」
「うれしい。わたしもだよ、・・・永四郎」
「ようやく名前で呼んでくれましたか。次はいつこっちに戻るんです?」
「んー、わかんない。みんなは元気?」
「ええ。元気ですよ。アナタこそ、体調を崩したりしていませんか?」
「わたしも元気?でもこっちはすごく寒いの。新しくマフラーとかかったぐらい!」
「・・・そうですか」
「・・寂しい?」
「随分と上機嫌ですね。・・・それに、なんです?騒がしい。今外にいるんですか?」
「うん、永四郎は?いまどこ?」
「教室です。今日は平古場クンが委員会の日なんで」
「通りで部室、あけっぱなしなわけだ」
「・・・・なんですって?」
「沖縄の空気ひさしぶり!ねえ永四郎、チャイムの音・・きこえる?」
「っ!」



「・・・・ただいま、永四郎。ハッピーバレンタイン!」
「・・・・・・アナタって人は・・・」
「おかえりは?」
「待ちわびましたよ、・・・・・おかえりなさい」


20140214
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