Mr.メンヨー



「ひっ、ひっ…めんよー…ひっぐ」

「おや、また眠れないのかなお嬢さん」
「おいで。今日は寒い。こちらへ来て温まるといい」

「ひっ…ぅ、ひっぐ」

「今日の子うさぎちゃんは一体どんな夢を見たんだい?」
「恐ろしい猛毒を作る大魔女の夢?それとも火を吹く尾の長いドラゴンかな?」

「…ひっ、ぐす、ピンクの大きい虫と黄色い長い蛇が喧嘩する夢」

「……あはは。そうか、また妙な夢を見させられたものだね」
「私が居れば大丈夫。君に決して夢の醒めない魔法を私がかけてあげよう」

「わたし、明日のショーがんばれるっ、かな…」

「もう君も13だ。その時がくれば一瞬さ」
「言っただろう、君には私の魔法がかかっているんだ。これからだって、永遠に君は頑張れるさ」

「……うん。うっ、ひっ、がんばる………」

「……全く、私とそう年齢が変わらないのにまだまだ手のかかる子だね君は」




♢♢♢


「ヤマシノP、随分その雑誌の子に熱心なんですね」

「この子ー?次、メンヨー出演の番組に出させようと思ってる今ネットで絶賛話題の子。見たことない?」
「最近ブランドも出してさー、解けない魔法を貴方になんて、もう30にもなるのになかなか言えないよ」

「え、30?!全然そう見えませんね…未成年にすら見えますよ」

「でしょー?今時、ゴスロリおばさんモデルとかテレビ映えするのか心配なんだけどさー。最近のトレンド総嘗めタレントだし、小さい頃からメンヨーのことが好きだって色んなとこで言ってるから、出させてあげよっかなって」

「ハァー、こんな可愛い子に言い寄られたらメンヨーもウハウハですねぇ!」

「いいねー、スキャンダルで乗ったら特集しちゃう?『メンヨー、魔法も解ける真夜中に背徳の密会か?!』ってね!」






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