全てを青春と名付けてしまおうか



「……万才さん」
「今日は一体どんな御用で」

「そう硬くならないでよ。僕と君の仲じゃない」

「貴方が足のつかない私ばかりを悪用するせいで、私には昼も夜も無駄な時間が存在しません。できる限り、内容は簡潔に、手短にお願いしたい所存です」

「あのバカ共が集まる学校では無駄な時間ばかり過ごしてきたくせにねえ」

「全て青春と名付けてしまえば片付けられると思いますがね。もしや、ご老人特有の嫉妬です?」

「あはは。ホンット、出来はいいのに可愛くないよねぇ君!お家では霊媒もできないインチキ霊媒師なんだから、もう少し媚売るってことをしなよ」

「……」

「だいたい君のとこの現家元が逃げ出したあの時、僕はだいぶ支援してあげたんだよ?だからもっと僕に貢献してもらわないと困るんだよ、優秀な君には」
「愛する僕の息子のためにも、さ」

「………それで、御用件は」

「ウンウン、従順でイイね。パーティーだよ、パーティー。検事・オブ・ザイヤーって知ってる?あれに顔だけ出すんだよね僕」
「その付き人として出て欲しいの。まぁ、護衛みたいなものだよ」

「分かりました」

「弓彦も君が来るって言ったら、来たがってたからさ。会ってあげてよ」
「じゃ、明後日の17時頃、局の玄関にいてね。僕の隣に居ても恥ずかしくないように頼むよ」

「(メールだけで済むやり取りにわざわざ呼び出してこれ、か)」
「(……合わす顔なんて無いの知ってるくせに)」



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