おまじないグッズ




「__くん、ゆみひこくん」

「ぅ、うう…相棒…?なんでここに居るんだ…?」

「弓彦くんが風邪引いたってさっきメールしてきたんだよ。覚えてる?」

「……ぁう…学校は…?」

「いま冬休みだから来たんだよ。そうじゃなかったら起きられなかったし私」
「お父さんはお仕事?ハウスキーパーさんも今日お休みだよね?」

「うん…親父、いま忙しいから…朝出てったよ」

「……そっか。寝てていいよ。お粥とか作ってきてあげるから」
「…38.6かー。平熱が高いとはいえ、流石に高いね」

「うう、移っちゃうから帰れよぉ…」

「だって心配だもん。お父さん夜遅くまでいないんでしょ?寂しくない?」

「……う、うう……寂しい…かも」

「うんうん。どうせ暇してたし、夕方まではそばにいてあげるね」
「あと、これ」

「うぉ……な、なんだこれ」

「退魔のずきんって言うんだよ。病魔とか祓ってくれる、おまじないみたいなやつ」

「お、おお……あ、温かいな」

「そのついてる勾玉も私が実家で付けてたやつだけど、私にはあんまり意味のないものだから弓彦くんにあげるよ」
「肌身離さず持っててくれれば、きっと弓彦くんのことを守ってくれる…かも?」

「……ん、ぐす、ありがとう相棒。大事にするよ」