午前3時、牛丼屋にて



「はぁ〜サンダル、スウェットのまま、夜明けに食べに来る牛丼は最高ですなあ」

「………」

「味噌汁も温かくて美味し〜」

「…………」

「……」
「ご飯冷めちゃうよ?食べないの?」

「なんでお前は逆にそんなに元気なんだよ……」

「ム、失礼な。実際は腰と足がダルくてダルくてたまらないんだけど」

「それで普通、突然腹が減ったって外食するかよぉ………」

「お互い明日休みなんだからいーじゃん」

「もう今日だ……」

「…………」

「なんだよその顔」

「いや、疲れてるくせにお仕事後によくあんなに動けるよなあーって。長い付き合いなのにお盛んだねって、キョウカさんがこの前一緒に飲んだとき笑ってたよ」

「なんでおキョウさんとお前が飲みに行くんだよ」

「よくあそこのお弁当買うから」
「あと昔、憧れてたっていう捜査官と似てるらしくって、なんか気に入られてるんだよね。美味しいよ、キョウカさんのお弁当。最近は赤青逆転弁当にハマってるんだー」

「すげぇ弁当だな」

「ご飯の上に乗った半分は真っ赤なスーツの色男検事にお似合いの高級牛そぼろ、半分は真っ青なスーツのしぶとい弁護士にお似合いの青菜ともやし、大根の細切りの和え物。一段で量もカロリーも抑えめだから、女性に大人気だよ」

「へぇー、オレも今度食ってみよっかな」

「へへ、私も明日、お昼休みに食べよーっと。……ふぅ、ごちそうさまー」

「ん、食い終わらったら帰るぞ」

「うん。帰ったら洗濯物頑張ってね」

「……はい」