地獄の果てで会いましょう
「ごめんね、弓彦くん」
「みんなのために……今は大人しく死んで」
「……!」
「お前だけはオレを裏切らないって、信じてたのにな」
「……ありがとう、おやすみなさい」
「……また会おうね」
♢♢♢♢
「はぁ〜……まるで映画みたいでした……みぬき、もう感動しちゃいました!」
「うふふ、まさしく愛の力ですね!眼福でした!」
「人質解放のためとはいえ、自分の旦那さんに拳銃ぶっ放すなんてね…最初はびっくりしたよ。おかげで春美ちゃんもみぬきも助けられたよ、ありがとう」
「いやいやいや!オレにも感謝しろよ!」
「弓彦くん、敬語」
「二人とも無事でホント良かった。犯人が素人で遠くにいたから出来たけど、危ない目に合わせちゃったね。弓彦くんもごめんね」
「全く…かなりヤバかったんだからな…。死体役なんて初めてやったぞ」
「バレないかドキドキしちゃったよね」
「………」
「イチヤナギさん、なんだか手、震えてませんか?」
「……あー、久々に拳銃なんて撃ったからかなあ。昔なんてこんなの全然へっちゃらだったのに……だめだね、平和ボケしちゃって」
「ふふふ、愛する人を救うために奔走してましたものね!はぁ…ただひたむきに愛する人のために駆けるうら若き時代…素敵です……」
「…………」
「なぁ」
「…ん?なぁに、弓彦くん」
「………あ、そうだ。みぬき、春美ちゃん。この後一応、病院に」
「「キャアーーーーーーー!!!」」
「みぬき?!春美ちゃん?!」
「き、聞きましたかナルホドくん!!今の……今のイチヤナギ検事のお言葉!!」
「え…なにが……?」
「もう!なんで聞いてないのパパ!!すっごく、す〜〜〜っっっごく大事な言葉だったのに!」
「コソコソ聞く方がおかしいだろ!いいか、今のはぜったい、ぜーーーったい誰にも言うなよ!」
「「はい!もちろんです!絶対誰にも言いません!!」」
「……人前で言う方が間違ってるから。恥ずかしいなあ、もう。ほらほら、二人とも一応病院で検査してもらうから車乗って」
「帰ったら真宵さまにご報告ですね!はぁ……わたくし、もう胸がいっぱいです!まさしく永遠に二人の身を焦がす愛の炎……うふふ、今日のお夕飯はお赤飯を炊きましょう!!」
「みぬきも帰ったらオドロキさんとココネさんにお話しよーっと!」
「話聞いてたのかよお前らぁ!!」
生まれ変わっても一緒なんだから、そしたらどっちが先に死んでもオレは怖くなんてないよ。