注射




「それでは、ブスリと行きますね!カクゴしてください!」

「うっ、うっ、相棒……オレ、オレ、ゔ…死ぬ」

「大丈夫、弓彦くん。注射如きで人間は死なないよ、よしよし」

「……はい、大丈夫です!付き添いの方もありがとうございます!」

「ぇ゙っ、えぐ、相棒〜〜〜〜〜〜!!!!!」

「ふっふっふっ情けないですねー、イチヤナギさん!べそべそ泣いてますよ!」

「まあ、幼い頃は注射は誰でも怖いものだ」

「あ、さてはミツルギさんも注射が怖かった子どもなんですね!」

「厶……ま、まあ……そんなとこだ……」

「付き添いのお二方もどうです?今回の検事局での血液検査の結果はこちらの紙に名前と住所を記入していただければ、直接自宅に届きますし!」

「「え」」

「わ、わたしは大丈夫です!常に健康優良児のまだまだ現役バリバリの大ドロボウなので!」

「わ゙、私も大丈夫、でっ、ひ、ぁ゜、弓彦くん、やめ、放して、やめてぇ!!」

「せっかくだから打ってもらえよ!!お前、学生の頃の体力測定も健康診断も全部サボってたろ!!」

「ひ、ひぃいい、美雲ちゃん!!どこ行くの!!行かないで!!美雲ちゃん!!!」

「はーい、それではカクゴしてくださいね!いきますよー!」

「ひぇ、死ぬ、やだ、まだ死にたくないよおおお………」

「だ、大丈夫だ、相棒!たくさんの修羅場を乗り越えてきたお前なら大丈夫だ!ついでに注射ごときで死ぬ人間はいないってさっきお前が言ったんだぞ!!」

「やだああぁあぁぁぁぁああ……………」

「(この検事にしてこの相棒ありだったか………)」