一流検事と相棒



「30分の休廷なんてどうしたんだ、ミツルギ。このままじゃ……」

「……成歩堂。この私が、法廷に立ってなお未だ捜査も、審理も難航している」
「このまま審理を続ければ、最悪の方に向かうだけだ。真犯人を追い詰めているはずなのに…我々は何も掴めていないのだ。今しばし、調査報告が必要と判断して審理を止めた」

「それであんな強引に……検事局長がらしくないぞ」
「(たしかにこの事件には不自然な点が多すぎる。これ以上引き伸ばしたとして、何もできなかったら…)」

「相手は司法関係者だ。それもかなり顔が利く。審理が明ける時点で何も提示出来なければ今度こそ終わりだ。だが、そろそろ__」

「ナルホドくーん!ミツルギ検事ー!電話だよ!」

「マヨイちゃん!」
「(誰からだろう……?)」

『成歩堂さん、御剣検事局長!』

「!」
「君は……!」

『実は私たち、今、この事件の本当の殺人現場いるんです!』

「ほ、本当の殺人現場?!そ、それって」

「すまない。成歩堂、マヨイくん、貸してくれ。手短に伝える」
「__もしもし。よく突き止めてくれた、我々は今、30分の休廷を取っている。30分後で構わない、いい知らせを頼む。ああ、イチヤナギくんにもそう伝えてくれ」

「ふふーん。どう、ミツルギ検事?私の親戚、超役に立ったでしょ!」

「ああ、次の給与査定も跳ね上がるほど恐ろしく超役に立ってくれた。流石は君の親族であり、我が国きっての一流コンビと言えよう」
「あとは彼らを待つだけだ。また後ほど、法廷で会うとしよう」


♢♢♢♢


「それじゃ、真の現場調査と行きますか!」

「にしても、お前日本帰ってきたばっかだろ。大丈夫かよ休まなくて」

「うーん、多少なりとも?弓彦くんと一緒にってご指名されたら行くしかないでしょ」

「まぁ、他のヤツらに任せたらまた隠蔽される可能性もあるもんな」

「そうそう、今や私たちもシャーロック・ホームズとワトソン教授に負けないほどのタッグだからね」

「だな。お前と二人で調査なんて学生のとき以来だし、いつも以上に気合い入れないとな!」

「ふふふ…懐かしいね。10年ぶり、かな」
「……じゃあ、始めようか。一流の検事、私の世界でたった一人の相棒くん。私は君と一緒なら最高以上の結果をもたらしてみせるよ」

「おう!局長に真実を持ち帰ってやろうぜ。オレたちが一緒にいて、解決できない事件なんて絶対にないのさ相棒!」



一流検事と相棒、これにて終幕です。
一応、まだストックしてる話はあるのですが、いつ更新しなくなるかわからないので…。
後のお話はぜひ、おまけと思って下されば幸いです。
ここまで読んでくださった方々に感謝を。