「真宵さま、そっち行ってくださいよ。こたつ他3方向全て空いてるじゃないですか」

「やだー!!寒いよ!こんなに寒いのに家元さまを突き放すなんてものすっごく非常だよお…もっとくっつかないとすぐ寒くなっちゃう」

「こういうときだけ家元様面しないでくださ」

「あー!トノサマン始まっちゃう!ほらほら、録画録画!」

「もー、なんて手のかかる家元様なんだろうか…」
「あ、これ録画したら私、春美さまのとこに図工の課題手伝ってきますね」

「え!?一緒に見ないのトノサマン!」
「世の中の人たちはね、りあたいを大事にしてるんだよ!り、あ、た、い!一緒に見ようよ、ね、ね」

「いや、この時間に行くって約束しちゃったんで…」
「しかもそのリアタイって言葉、ネットの中の話でしょう?私が行ってる学校の友達らもトノサマンを見てる人なんて居ませんでしたよ」

「えー!!そ、そんなあ……でもでも、せめてそのりあたいは大事にするべきだよ!せっかく再放送枠でやってるのに!また復活するかもだよ散々色々あったわけだからさぁ!」

「そんなこと言うならナルホドさん?と見ればいいじゃないですか。仲いいんですし」

「なんでそこでなるほどくんが出てくるのー!あ、嫉妬してるんでしょ!あたしがなるほどくんの話ばっかするからー!もー!かわいいなあ!あたしには」

「…あのー」

「あ、春美さま。すみません…なかなか真宵さまが離してくれなくてそちらに出向けなくて…」

「いえいえ!構いません!もしやと思って真宵さまのお部屋へ来てみたかいがありました!」

「ちょっと!酷いよ!100%あたしが悪いみたいに言われて悲しい!」

「1000%真宵さまのせいじゃないですか……」

「いやいや!そんな真宵さまのせ…あああ!ま、真宵さま!!く、首に歯型がついてます!!なんとおいたわしい……」

「んえ…あ、あーこれ!これね、可愛いんだけど、ちょっぴり意地っぱりなネコちゃんにやられちゃったんだよねぇ。でも、ほら!あたしよりもずっとすごい歯型ついてる人もいるんだよ」

「わ、ちょ、ちょっと……!ど、どうどうと見せないでくださいよ…」

「ま、まあ!肩にこんなにくっきりと…鬱血までしてます…。そんな着物が乱れてしまうほどのキャットファイトを……」

「んん゙、どこかの誰かさんと一緒でお転婆で元気な猫にがっつかれてもみくちゃにされただけですよ」

「ほら、そういうのに好かれやすいんだよあたしみたいなさ」

「………」

「ふふ、羨ましいです…。仲睦まじいのは良いことですね!」



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