超一流会長選挙戦



「もう生徒会選挙の時期かぁー」

「早いものだね。弁護士クラスからは三人も生徒会長候補がいて今、クラスの中で一人に絞るために争ってるらしいよ」
「相棒ちゃんは?内申を上げる気はないのかい?」

「私はいいかなー」

「アハハ、さては仕事がめんどくさいんだね」

「それ以外ある?牙琉くんだってそういうの苦手でしょ?」

「うん。ぼくもゴメンだ」

「お、あったあった!立候補手続き書」
「あ、相棒にガリュー!お前らも生徒会長に立候補するのか?」

「"も"ってことはイチリュウくんは生徒会長に立候補するのかい?」

「当たり前だろ。この一流のオレ以外に誰がこの学園の生徒会長がつとまると思うんだ?」

「へえ、いいんじゃないかな。なんだか学園も楽しくなりそうだしね!」
「さあ、相棒ちゃん。どう出る?」

「遊んでるでしょ?」

「相棒!オレが生徒会長になったあかつきにはお前を生徒会副会長の座につかせてやるぜ。すげぇだろ!二人でこの学園の一流になるんだ!」

「……」
「弓彦くん、悪いけど私は生徒会には入らないかな」

「……え!」
「な、なんで……?相棒はオレの相棒なのに、相棒が副会長やってくれないと相棒が相棒じゃなくなっちゃうじゃないか!」

「私は生徒会のお仕事なんてやりたくないよ、弓彦くん!」
「でも、弓彦くんがどこの馬の骨とも知らない生徒会副会長なんてのを侍らせて相棒呼ばわりしてるのも嫌!」

「おおー、なるほど。そう来るんだね」

「お、お前!ワガママだぞ、そういうのを暴論って言うんだぜ!もっと理論的に反論しろよな!」
「生徒会長だぞ!一流だぜ、生徒会長になれば!」

「この前なんか来て変な話ししてった元生徒会長のおじさん、女子高生を痴漢して捕まってたじゃん!どこが一流なの!」

「!!」
「ぐ、ぐうう……そう言われると……」

「生徒会長なんかになったら、きっと弓彦くんは一流じゃなくなっちゃうよ。うん、ぜっっっっっっったいそう!」
「だから、生徒会の枠を超えた超一流の会長になるの。絶対そっちの方がいいよ」

「生徒会の…枠を、超えた……?」

「超一流の会長__?!」
「なんか一流らしくてかっこいいな!うん、生徒会長なんかよりも絶対そっちの方が一流っぽいぞ!」

「でしょでしょ!絶対そっちの方がいいって」

「よし!生徒会長立候補なんてやめだ!オレは一流の中の一流である為に一流の会長を目指すぜ!」

「よし、それでこそ弓彦くん!私も相棒としてついていくからね」

「当然だろ!よおーうし、行くぞ相棒ーーー!!」

「おー!!」

「………………行っちゃった」
「アハハ。ホント、台風みたいにすごいや。君たちって」