勤勉な貴方は愛おしい
「ム、お前たち…暇か?」
「弁護士クラスの…静矢くん」
「へへ、某ドラマネタで返してみたよ。どう?」
「ドラマ…?何のネタだ」
「おいおいシズヤ!お前、法律を学ぶ学校に通ってるっていうのに、相○も見たことないのかよ!」
「あまり家ではテレビは見ないものでな」
「厳しそうだもんね、静矢くんのお家もぐ」
「ああ、政治や外のことは新聞で事足りるからな」
「確かに…私の家もテレビ無かったときはずっと新聞だったなー、もぐもぐ」
「ところで静矢くんはこんなとこにまで何しに来たの?」
「逆に聞くが、お前たちはどうして庭の外れにある用務室でまるで自宅でもあるかのように、どら焼きとお茶を囲んで寛いでいる」
「先週の週刊誌の新連載がね、これがまたすっごくおもしろいミステリーもので…続きをどうしてもゆったりできるとこで読みたくなっちゃったんだよね」
「そういう意味の寛いでる理由を聞いているんじゃない」
「すげーだろ!オレたちの"一流"の秘密基地なんだぜ」
「……どう見てもオンボロな小屋だが」
「もー、失礼だな。私が事務員さんのお手伝いしたらお茶出してくれて、弓彦くんが私を探してたからここに呼んであげたら、イイとこのどら焼きを持ってきてくれたんだよ。あむ」
「ほらほら、静矢くんも座って座って!この光景を目にしてしまったからには共犯だからね」
「嫌な言い方をしながら、座布団を持ってくるな馬鹿者」
「授業をサボって、を付け忘れてるぞ相棒。オレはそれをわざわざ迎えに来てやったんだからな!」
「それにしても良いお茶だな。センスのあるオレを唸らせるこの茶柱!一流のお茶である証だぜ」
「(茶柱に唸ってどうする……)」
「えへへ、弓彦くんってば良妻賢母だよね。わざわざ私を迎えに来てくれるんだからさ」
「ろ、ろうさい…?」
「もぐ…良妻賢母。良い母であり、良い妻であるということだ。そんなことも知らないのかお前はもぎゅもぎゅ」
「ひ、一言余計なんだよシズヤはァ!」
「だ、第一!オレはお前の相棒であって妻でもお袋でもないからなァ!」
「えー、ぴったりだと思うのに。私が事件をたくさん解決してお金をたくさん持ち帰ってお嫁さんである弓彦くんを幸せにする。弓彦くんはお嫁さんと検事を両立する"超一流"の良妻検事ってワケ!」
「ちょ、"超一流"の良妻検事……悪く、ないな」
「簡単に乗せられるな」
「へへ、こういうとこが弓彦くんの良いとこなんだよ。あ〜、一生こうやってみんなと寛いでたいな〜」
「自室でもないのに本当に図太いなお前は」
「ヘヘ、そこが相棒の良いとこなんだぞ」
「親父も図太く生きれるやつは良い捜査官になれるってこの前言ってたぜ!」
「ええー、なんかそれはやだなあ。鵜呑みは良くないよ弓彦くん」
「お前ら二人、事実にも図太いだろ」
一応アレなのでちゃんと隠しました