ICHIRYU'Sキッチン



「よし!相棒、今日は一流の検事 一柳弓彦特製一流のための一流のオムレツを作っていくぞ」

「いえーい!弓彦くんの手作りオムレツだー!」

「まず、卵を用意だ。2人だから2つ割ってくぞ」

「はい、一流シェフ!卵2つ、割ってあります!」

「よし!次は、なはしでしっかり混ぜていく」

「さいばし、ですねシェフ!死体の内容物も残さず、びっくりして起き上がってしまうほどしっかり混ぜていきます」

「お、おお、テレビ的にアウトだなそれ…」
「それで…えーっと、塩と牛乳だ!しっかり味をつける、そして牛乳はより一流っぽくふわふわにしていく為に入れるんだ!」

「そして、それを混ぜたものが既にこちらに!」

「ん、さすが相棒だな!出来のいい一流の相棒を持つと、オレのやることがなくて困ってしまうぞ」

「これを強火にかけたフライパンに油を入れ、フライパンが温まったのを確認したら卵を流し入れます」
「強火にかけたフライパンは一度、濡れた布巾の上に置いて10秒ほど冷ましてからもう一度強火にかけるとオムレツやホットケーキが上手く焼けるんだって!」

「んーと、なになに、オムレツだったら油の代わりに、バターやおりーぶおいるなんかを使うのもお好みでヨシ…か!」

「今回はシンプルに普通のオムレツとパンを合わせようよ!」

「へへ、今日のために(親父のクレジットカードで)一流のフランスパンを買っておいたぜ!」

「ぃやったーう!」

「お、焼けてきたな!これで上手く形を整えて一流のオムレツの完成だな!」

「…っと、形ヨシ!あ」

「…ん?どうした?」

「一流シェフ!お皿を二つ用意したのにも関わらず、焼く前の卵を半分にするのを忘れて大きいオムレツ1個を作ってしまいました!どうしましょう…」

「う、うおおお!……っていつも通りはんぶんこにすればいいんじゃないか?」

「あ、そっか。二人で一緒にスプーンで食べればいっか」

「だな!これで一流の検事、一柳弓彦特製一流のための一流のオムレツの完成だぜ!」

「超お高い一般家庭じゃ買えないフランスパンもついてるよ!」
「…おおー、半分になったバゲットはカゴに。一流ふわとろオムレツはお皿にデカデカと盛り付けて並べるとなんかジ○リ飯みたい!」

「うむ、確かに…分かる、分かるぞ!まるでこの前一緒に見たハ○ルの動く城だな」
「じゃあ…いざ、実食!いくぜ!」

「はい、シェフ!」
「「いただきまーす!!」」


♢♢♢


「……な、なんなのだ、この頭の悪そうな料理動画は」

「えー!ICHIRYU'sキッチン、知らないんですかミツルギさん!」
「地味でありきたりな一般家庭料理を一流と言って、ごく普通に楽しそうに作るコントみたいな動画を投稿する高校生二人のGyakuTuberが大人気なんですよ今!そろそろ再生回数だってガリューウエーブに追いつくって言われてるんですから!」

「ぎゃ、ぎゃくちゅーばー…」

「どちらかというと子どもの知育系のお料理テレビだったッスね」