■ 10月4日

*会話文のみ。ヒロインは跡部大好きなマネージャー。付き合ってはない。




「あとべー!」

「いきなり部室に入ってくるなって何度言ったらわかるんだ。着替えてる部員もいるんだぞ」

「そんなの居たところで私の目には貴方しか映らないから何も問題ないんですけど」

「相変わらず名前ちゃんは跡部バカやなぁ。みてて微笑ましいわ」

「やめろ忍足。ったく、お前らがこいつのこと甘やかすからつけあがるんだ」

「そんなこと言ったって跡部も私のこと甘やかすじゃない!どうせ裏では私のこと褒めまくったり好きって言ったりしてるんでしょ!ねぇ!」

「してねーようるせぇな。おい樺地、こいつ追い出せ」

「ウス」

「ウス、じゃないよ樺地ぃ!私は跡部に愛を伝えたいだけなの!」

「必死すぎて激ダサだな」

「宍戸なに?あなた嫉妬してるの?大丈夫私跡部の次は部員皆のこと愛してるから。跡部の次なんて光栄なことだと思いなさいよ」

「…アリガトウゴザイマス」

「名前さん、俺今から着替えるんで出て行ってもらえませんか?」

「日吉ー私跡部以外目に入らないんだって。大丈夫大丈夫そのまま着替えな」

「いや、なにも大丈夫じゃないんで」

「もう、恥ずかしがり屋さ、…イテテテ」

「おい、どうしたんだよ名前」

「向日…やば、急に頭が、イテテテ」

「痛がり方が尋常じゃねーぞ…」

「…医務室に連れて行く」

「何言っとんねん跡部、自分今から監督と打ち合わせやろ?」

「それなら俺が行きますよ跡部さん!」

「大丈夫だ鳳。忍足、悪いが監督には少し遅れると伝えておいてくれ。樺地、お前は名前の家に連絡をいれておけ。帰りは車で送るから心配するなとな」

「ウス」


* * *


「やーまいったまいった!部室行く前にアイスめっちゃ食べたのが仇となるとは!あの頭キーンてなるやつが時間差で来たね、キーンてなるやつ」

「ンなバカなことあるかよ」

「それがあったんだなー!しばらくしたらすぐ治った!わはは!」

「…医務室に着く直前に治るなんてな。都合いい頭痛もあったもんだ、なあ名前」

「な、なに。なったものは仕方ないじゃないですか」

「…お前なに隠してやがる」

「ナニモカクシテナイデス」

「…ともかく急いで部室行くぞ。あいつらも心配してるだろうし榊監督も待たせてる」

「ハイ、スミマセンイソギマス」


* * *

部室前


「…?なんで扉開けねーんだ。早くしろ」

「ちょっと急に腕が折れちゃったんで跡部が開けてください」

「五分前は急に足折れたとか言って動かなくなるし、お前今日どうしたんだ。…仕方ねーな、俺が開け「「「ハッピバースデー跡部!」」」


「いえーい!サプライズ大成功ー!」

「…そういうことか」

「えへへごめんね跡部」

「あの下手な時間稼ぎもこのためだな」

「名前ちゃんどんな時間稼ぎしたん?」

「足折れたり腕折れたり」

「それは下手どころの話やないで…」

「でもお陰で部室完璧に飾り付けられましたね!」

「ああ、喜べ跡部!ケーキもあるぞ!」

「唐揚げもあるぜ!」

「それは向日さんが食べたいだけじゃないですか」

「まあともかく、改めて跡部!お誕生日おめでとう!」

「…ああ」

「それにしても名前さんが提案した作戦バッチリでしたね」

「ね、だから言ったでしょ?跡部はなんだかんだ私のこと大事にしてくれてるんだって」

「すごい自信だな。俺があのまま鳳に任せてたらどうしてたんだ」

「ううん、跡部ならきっと自分が動いてくれるって分かってたよ。そういうところも含めて大好き!」

「…そうかよ」

「えっ…?今一瞬照れた…?」

「照れてねぇ」

「これもうひと押しで落ちますわ。皆私のこと応援してて。あの跡部を落としますんで」

「この俺がそう簡単にいくかよ」

「なんて言って、実は跡部名前ちゃんのことめっちゃ好きやもんな」

「わかる。私のことめっちゃ好きよね」

「わかるな。…それよりお前ら、今夜はこのまま部室でパーティだ!樺地、うちのシェフを呼べ!」

「ウス」

「そして、俺様をハメたことはともかく礼を言う」

「発案者は名前だから、礼は名前にな。榊監督にも事前に事情説明したのそいつだし」

「…ああ。名前、ありがとな」

「とんでもない!跡部を喜ばせるためならなんでもやります!」

「でも名前ならプレゼントは私です!くらいやると思ったんだけどなー」

「ちょっと向日ーいくらなんでもそれはベタすぎない?跡部もそんな露骨なのは喜ばないでしょ!」

「悪くねぇけどな」

「!?!?」

「あ、跡部…本音出てんで…?」

「やばい名前がいそいそと自分にリボン巻き出した!」

「ウス」

「そして樺地が名前を跡部に差し出した!」



「う、受け取ったー!!!」

「宍戸さん実況者にでもなるんですか」

「いや日吉、これは実況せざるを得ないだろ…」

「名前さん顔真っ赤ですよ。まさか本当に受け取ってもらえるとは思ってなかったんでしょうね」

「なんか俺たち思いがけずすげぇ瞬間に立ち会ったな」

「本当に跡部が落ちた…いや落ちたって言うか素直になった…」

「激おめだぜ!」

「ん〜…騒がC〜…。A〜!なんで跡部と名前見つめあってんのー!?なになにすっげー!やっと付き合ったの!?」

「ウス」

「ようやく起きたわジロー…。全員揃ったことやしもう一回言っとくか」

「「「跡部お誕生日おめでとう!!!」」」




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10月4日 跡部誕!!!

お誕生日おめでとう!!