■ 10月10日

*会話文のみ。ヒロインは万事屋メンバー。




「なんか今日銀ちゃんの事うざく感じるアル」

「あ、ちょうど僕も思ってました」

「仕事も無いんだしどっか行けヨ」

「一理ある。銀時、少し外に出たら?ていうか3時間くらい出てろ」

「皆俺の扱い酷くない!?名前まで同調するなんて!いつもはもう少し優しいだろ!」

「は?今日もいつも通り優しいけど?良いから早く出ていきなさいよ」

「いや、でも俺も別に普段通り大人しく「行きなさい」…はい」



* * *


「あいつら本当に追い出しやがって…なんなんだよ休みの日くらいボーッとしててもいいだろ…あー意味わかんねぇ。…パチンコでも行くか」


* * *


「負けだ負けだ、散々だな今日は。こうなったら新八のメガネぶち割ってやる…ん?家ン中が騒がしいな。あいつら人追い出しといて何楽しんでんだ。おーい、家主が帰りましたよーっと」

「銀ちゃん遅かったアルな!待ってたヨ!」

「あ?テメーらが出てけっつったんだろうが……え、何これ」

「銀さんがいない間に、名前さんが沢山料理作ってくれたんですよ!」

「…いやいや、なんだこのわけわかんねー料理のラインナップは」

「今日は色んな記念日らしくてね。トマト、マグロ、おでん、お餅、鯛、缶詰…などなどの日。それにあやかりましてそれらの食材で何品かこしらえました、ええ。美味しく作るのはなかなか苦労しました、ええ」

「なんだよ急に。部屋まで飾りつけやがってパーティでもする気ですかコノヤロー」

「はい、パーティしますよ」

「は?」

「銀ちゃん今日何日か知ってる?」

「何日って、10月10日……あ」

「んふふ、銀時、今日は何の日でしょうか」

「……俺の、誕生日」

「せいかーい!銀時、お誕生日おめでとうー!」

「「おめでとうー!!」」

「準備するために追い出したのか…にしてももう少しやり方あんだろ」

「いやもう早く準備したくてめんどくさかった。そしたら神楽がナイスアシストだったからそのまま乗っかってみたてへぺろ」

「雑だな。…でもまあ、どーも」

「うむ、苦しゅうないぞ」

「私も名前と一緒に少し作ったネ!これとこれと…沢山食べるヨロシ!」

「僕は料理はできませんでしたが、部屋の装飾はほとんど1人でやったんですよ!」

「…そーかよ」

「銀時〜素直に喜びなって〜ほらほら〜」

「うるせえ」

「プレゼントもあるんだよ!はい、私からはこれ。私の代わりに名前と同じ布団で眠れる券ヨ!」

「え、神楽なにそれ私聞いてない」

「そして僕からはこれです!名前さんの本音を聞き出せる券!」

「んー新八くん君まで?君までそんなプレゼントなの?」

「いただいた」

「いやいやいや銀時、そこ素直に受け取るのやめて?私不思議な気持ちになるやん?」

「で、名前からのプレゼントは?」

「えっ…私普通に銀時の好きな甘味処の甘味食べ放題券10枚綴りなんだけど…」

「それもいただく」

「うん、あげるために準備したからね?それはいいんだけどさ。新八と神楽はどういうつもりなのかな?」

「どうもこうもないネ。名前、さっさと素直になれヨ」

「そうですよ。誰よりも今日のこと張り切ってたのは名前さんでしょう」

「や、やめてよ!なに!私をいじめないで!」

「銀さん、僕があげた券使ってみてください。質問は、わかってますよね?」

「…おいおい、童貞新八くんの癖にやるじゃねーか」

「童貞と癖には余計ですよ!」

「じゃ、ありがたく使わせてもらいますか。…名前、俺のことどう思ってる?」

「は、はあ?どうって、天パでグータラでどうしようもなくて…それで…」

「それで?」

「…あーもう!!それで、何よりも誰よりも大好きだよバカ!これで満足か!」

「ああ、満足だ。そしてついでに俺もお前のことそう思ってる」

「え!?なに!?私テンパってるからよくわかんないんだけど!?」

「つまり両想いってことアル。ようやくくっつくのか〜長かったネここまで」

「本当ですよ。結局僕達が後押しする羽目になるとは」

「は、もう、そういうのやめて本当。僕達最初から知ってたんですよ的な雰囲気出さないで、隠してた自分バカみたいじゃん」

「何、あれで隠してたつもりなの名前。かーわいい」

「ううううるさい!なんだ銀時!なんであんたは恥ずかしくないんだ!」

「こいつらが俺らの気持ち知ってるの知ってたし」

「本当にやめてくださいそういう私だけ鈍感でしたみたいな感じ」

「実際そうなんだから仕方ねーだろ」

「まったく、名前には困ったものヨ。レディたるもの男を翻弄するくらいでなくちゃ駄目ネ」

「普通にダメ出しされた…」

「ともかく!銀さんおめでとうございます!そして晴れて付き合うことになる名前さんもおめでとうございます!」

「うわわわわ恥ずかしいなんか私だけ恥ずかしいやだこれなにこれ」

「んじゃ、飯食うか。腹減った。んで、夜は神楽から貰った券使うわ」

「いややめてそんな飯食うついでに名前も食うかみたいな宣言」

「は?そんなこと言ってねーだろ。ただ一緒に寝るだけだよ、なに名前ちゃん随分イヤラシーね」

「あああああうるせえええ!!バーカバーカ!!銀時のバーカ!誕生日おめでとう!バーカ!」

「名前本当にめっちゃテンパってるアル」

「罵倒と祝福が交互にくることなんてあるんだね」

「まあとにかく色んな意味でめでたい日アル」

「銀時のバーカ!イケメン!」

「わかったわかった。おら、もう落ち着けって…今日はありがとな、名前、新八、神楽」

「………落ち着いた」

「そりゃよかった」

「…銀時」

「なんだよ」

「生まれてきてくれて、ありがとね」

「おう」

「…その、これからもよろしく」

「当たり前だろ。死ぬまで10月10日は祝えよ」

「うぃす…」

「さりげなくプロポーズしたアルな」

「あ、神楽ちゃんそんなこと言ったらまた名前さんが…」

「プププロポーズなんてそんな!あわわわわ」

「神楽ちゃん、もう放っておいて僕達だけで食べちゃおう」

「そうアルな。…定春、今日も楽しいネ」

「ワン!」




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10月10日 坂田銀時誕!

お誕生日おめでとう!