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メッサー君の恋心に気がついたもちこちゃんが通りますよー

私の考えではおそらく、カナメさんに恋心を抱いているのではないかと思っておるわけであります。初恋かなドキドキ

人の恋路は他人が首突っ込むといい事ないからもちこちゃんはメッサー君から相談あるまで引っ込んでるから!
ひっそりこっそり応援してるよ。
お節介はしない主義です安心して!
最近メッサー君の事わかってきたから。これ声に出したらすごい嫌な顔されるやつだってことわかってきたから。

ここまではもちこの考察です。まぁしかしメッサー君に熱い視線を送っている女性は知ってるんだからね!寮のレストランのスタッフらしいグラマラス美人さん。


ケイオスの食堂でカナメさん達とご飯を一緒に食べに行ったわけですが、やっぱり食材と料理は斬新かつ初めて見る物ばかりだったがとっても美味しかった。
結構たくさんお洋服を譲ってもらえたけどちゃんと全部着られるか試着しておかないと。

夕方からメッサー君が歌の選曲と練習付き合ってくれるみたいだし、それまでに全曲チェックもしておかねば。

音源と一緒に支給してもらった小型の音楽再生装置?と言うのだろうか、それを部屋でずっとオールリピートで聞いているのだが、不思議な言葉でどこか寂しげでどこか情熱的なアイモ?という曲が好きでつい鼻歌を歌ってしまう。
ランカ・リーという人が歌っていたらしい。
意味はわからん

「その歌・・・貴方、その声」
「えっ?きゃっ」
「ふふふ、ごめんなさいね」
驚かせてしまったわ

なんとも綺麗な笑顔が目の前にあった。
すれ違いざま美しい女性が急に腕を掴んできたのでうっかり転びかけてしまったところ、身体をぐいっと引っ張られて、腰を支えられる。背丈はほとんど一緒だというのにここの人って何故こんなにも力が強いのか。

「あの、離してもらっても・・・」
「ああ、ごめんなさい。羽みたいに軽いものだからつい。もう少しこのままでもいいかしら?貴方の歌が聞きたいわ」
羽みたいにとか!
なんという口説き文句ですか!
男性だったらついて行ってた!!

「うた?ですか?私そんな聴かせられる歌なんて」
「あの歌・・・ランカ・リーのアイモね。誰かに呼びかける愛の歌・・・」
「えぇ、あ、愛の歌だったんですね・・・知らなかった」
「その歌を選ぶのはきっと何か、もしくは誰かを求めて居るのね。寂しがりやなの?」

この人の言う言葉がざくりと私を突き刺すようだ
何か
誰か

「そう、かも、しれないです」

しっくりきた。求めてる。寂しい。私は1人なんだってまた自覚する。誰かを求めてる。誰を?

「そう・・・貴方の声、とても素敵。また聴かせてね。」
じゃあ、と手をするりとほどきその身を翻した美しい人

「え?あの、あなたは、」
「私は美雲。美雲・ギンヌメール。また会いましょう。」

そう言ってカツカツとヒールを軽快に鳴らして去って行った美雲さん。美しい紫の髪がふわりふわりと揺れるのを見送って、私も寮に戻る道へと方向を変える。


ああなんだか早く、早くメッサー君に会いたい。私を甘やかしてくれる、私に安心をくれる、不安を消してくれる彼に、早く、早く会いたい


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