13
間違いなく、俺はもちこさんに対して恋情を抱いている。
彼女を独り占めしたくて仕方がなくなっている。
チャック少尉といる彼女を見て心が焼け落ちるような焦燥感と嫉妬の念を抱いた。
チャック少尉は賑やかで、明るい性格だ。
彼女はきっと寂しい思いをする暇もないだろう。もし彼女が俺との時間を無くしていったらどうなるだろうか。
彼女が心安らぐのであればと、一歩引いて見ていられるだろうか。
きっとできない
彼女は自分のものではないのに
もちこさんが誰といようと自由なはずだ
「姉でも家族でも、か・・・」
そんなの嘘だ
彼女は自分の時代に帰りたいのだ
この思いを彼女に伝えたところでどうなる
姉と言われて嬉しそうな顔をしたもちこさんの顔を思い出す
今はそれでいい
十分だ
彼女の中で弟という立場でも1番になれるのだ。
「メッサーくーん!クラゲ酒っていうのもらったから一杯付き合って〜」
隣の部屋から聞こえるもちこさんの声に顔が緩むのがわかった
十分だ
彼女が自分を1番に頼ってくれる
十分な事実だ。
自分のためだけに歌う歌も、その声も
自分だけのためのものだと思うと嬉しくなる
俺も彼女を襲う恐怖や孤独から守ってやれているだろうか
彼女はいつ望む時代に帰ることができるのだろうか
彼女が帰れることを心から喜べるように、この熱情は心の奥にしまっておこう。
それでいい。
それがいい。
彼女のために、自分のために
その時が来るまで。
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