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ない頭で考えるのはもう辞めることにしようか。そう頭の中の自分に言う。何せ今まで使ったことのない分野の脳みそなのだから。

自分のいた場所に戻れ戻れと思っても、はいどうぞと戻れるわけもない事は十分にわかった。それはもう十分に体験済みだ。
なんでだろうどうしてだろうデモデモダッテの堂々巡りは鬱になるだけだ。
頭痛しか生まない。
帰りたい戻りたいと思う気持ちは悪ではない。むしろ正しく清い願いであり、考えなのだ。しかし私が獲得すべきはずる賢くセコく邪な考えを持ってしても生き残って行くという選択肢だ。

お父さん、お母さん。
私はここで生きることを考える事にします。
超保守的に生きようと思います。
寝る場所大事
食べること大事
仕事大事

イエスマンもちこは今日も元気です。

本日も晴天
潜入捜査日和だね!
惑星マティルドに向う準備をしているよ!


「良く似合ってますよ」
「・・・シゴトダイジ」

メッサーくんよ。
いいんだよ。そんな気を使ってくれなくても。あなたの目が頭と服を行ったり来たりするのがもうね、ツライわ。

「この耳・・・私までつける必要ない気がするなぁ」
ちょんっと自分の頭についているものを触るとふわふわした手触り

「いえ。似合ってますよ。ウサギの耳」
「この歳になってうさ耳を装着することになるとは・・・・ツライ」
「大丈夫です。今から向かう先は全員もれなく頭から耳が生えている人種ばかりの場所です。慣れますよ」
「・・・メッサー君は似合わないね。うさ耳」
「仕事ですので別に」
「バニーの衣装は着ないの?」
「・・・もちこさんは俺をどうしたいんですか?」
「い、いやだな・・・真顔やめてよ真顔は」
「・・・・」
「ジト目もいやだな〜」

冗談が通じなくて嫌だなー
「もちこさんが着てくれるなら考えてもいいですよ」
ふっと笑った顔が余裕ぶっててムカついたので肘でついてやったわ!
ダメージはゼロだったようだ・・・
あほか!
着るか!

「今から向かう惑星マティルドの資料は目を通しましたか?」

「えと、ちょっとだけ・・・」

「もちこさん・・・まぁいいでしょう。この任務、マキナさんと三雲さんと実験的サポートでもちこさん。送迎、護衛任務で俺とアラド隊長、ミラージュ少尉がつきます。ミラージュ少尉はまだ入ったばかりですので、交流もかねて。ああ、もちこさんはミラージュ少尉と挨拶は済まされましたか?」

「まぁ、本当に挨拶だけ・・・私とくに役職ないしがない清掃員だからさ・・・キョトンとされちゃったよ・・」

・・・ミラージュちゃん可愛かったな

「今回はもちこさんとミラージュ少尉が居るので慎重に惑星を選出しています。ですがくれぐれも油断しないよう気をつけてください。俺の側を離れないように。」

「ん。わかった・・」

「心配しなくても、俺が守りますので心配しないでください」

「あ、りがと・・・」

いつも言われてる言葉だったはずなのに
ふっと一瞬笑ったメッサー君急に大人びて見えた。それはそうか。
私はここでまだ数ヶ月
産まれたての赤子のようなものだから

「おい、もうそろそろ出発だぞ。準備はできたか?」
「わっアラドさん」
「メッサーが向こうで待ってるぞ?」
「わわっ、す、すいません」
しまった。少しぼんやりして足が止まってた。今から移動だというのにいかんいかん。

「・・・・なんだなんだ。緊張か?」
「い、いえ。そういうわけじゃ・・・。」

「?・・・はは〜ん。さてはメッサーと喧嘩でもしたのか?メッサーの機体じゃ不満なら俺のに乗ってくか」

「もう、違いますって」

ひひひ、と意地悪げにニヤニヤと笑うアラドさんは何やらとても楽しそうだ。
このデルタ小隊の中で1番少年な気がする。

「ふふっアラドさんっていつも楽しそう」

「そう見えるか?」

「ちがうんですか?」

ふっと笑ったアラドさんの瞳が細められ、優しげに揺れる。

「いいや・・・。当たってるよ。新しい星、新しい仕事、新しいメンバー・・ワクワクするのさ。もちろん、」

アラドさんの暖かく大きな手が、ぽすんと頭に落ちてくる。つけているうさ耳をすり抜けて直接髪の毛を撫でる

「もちこ、お前と一緒に仕事ができるのも嬉しい限りだ。今回結果が出なくとも外の世界を見れるのは良いことだぞ。・・・初の外出じゃないか。帰れる手がかりがあるとまた良し。難しい事は考えず、楽しもうな」

ニカリと笑うと大きな安心感を感じるのはきっとアラドさんの人柄なのだろう。ほんわりと蝋燭に火が灯るようなじんわりとした暖かさを与えてくれる人だ。

「ま、今回は安全と確認済みの星の事前潜入捜査、サプライズワクチンライブだ!なんて事はないさ。このうさ耳でマティルドの人達に信頼と実績を掴み取っていこうな!俺に比べりゃ、随分と可愛く仕上がってるぞ!胸張ってけよ!」


わはははと笑い、後でなーと去って行くアラドさんの頭にも耳が・・・
あれ
意外と違和感ないな
似合ってますね?

すっ、と
視線をアラドさんからそらすと、なぜそこに居るのかわからないが、カナメさんと目があった。
無言で頷く彼女もきっと私と同じことを思って居るに違いない。

アラドさんほど似合ってる男性は居ないし、メッサー君ほど似合わない男性も居ないと思いました、と作業をするメッサー君に感想を言ったら無言でガシッと頬を挟まれました。
ブチュっと顔が潰れてこの場で私ほどブサイクなうさ耳は居ないなと思わされました。

メッサー君最近私に容赦なくない?











※惑星マティルドは架空の惑星です本編には全く出てきません創作ですすいません

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