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日が海にとろけて混ざり合う時間。
何を見つめるでもなく、さざ波と行き交う人の声をBGMにただ立ち尽くす。
前や後ろを人が通るたびに海の匂いがふわりと香る。

「さっきの・・・バングル型プレイヤーに入ってたのって」

あれはもちこの声、だったよな


「・・・ええ。私もしっかりと聞いたわけではありませんが、たしかに彼女のものでした。でも、あの曲は」

独り言にミラージュが律儀に返事を返してくる。
そうだ。間違いない。

でもなぜ。

あいつは、俺の知る限りただの寮の清掃員で、裸喰娘娘のスタッフで

いや、よくよく考えればそれだけじゃない
どこにでも居た
メッサーの隣、アラド隊長の隣
ただの清掃員スタッフがケイオスの中をウロウロできるわけがない。

「一体どうなってるんだよ」


イライラする。
もちことは知らない仲じゃない。
デルタ小隊の中でも仲だっていい方だ・・・と思う。

「・・・ハヤテは、貴方は最近入ってきたので知らないんでしたね。彼女はこのケイオスに保護されている一般人の1人です。・・・詳しくは、私も知りません。彼女は私よりも先にここに居たので・・・以前はワルキューレと一緒に活動をしていたと思います」

「!」

もちこがやたらとメッサーと一緒にいるのだって知っていた。
チャックは同期みたいなもんだって話していた時は納得はした。でもどこかであいつはここに相応しくない。もっとらしくいられる場所があるはずなのにって思っていた。

何故か、なんでも出来るような、1番自由そうに見えるもちこが、やたらとワルキューレやデルタ小隊にこだわっているように見えたのはそういう事だったのだ。
こだわっていたのではなく。



これはなんだ。

メッサーが、あのバングルを大事に握りしめているのを良く見ていた。

額に当て何かを願うのを見たことだってある


あれじゃあ、
あれじゃあまるで、

ギリ、と思わず歯と歯がぶつかり嫌な音が出た

モヤモヤと広がる嫌なものの渦が、ぐるぐるぐるぐる目の前を暗く埋め尽くす
足に絡まり進む事が困難なほどにまとわりつく

じわじわと焦燥の足音が大きくなって来る

あれはなんて気持ちなんだ
俺のこれは、なんて言うのか

今はまだ知りたくもない。


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もちこさんが、
もちこを乗せて先頭に出る
戦争に行く

昔の記憶が脳を揺さぶって来る
またあの涙を見なければいけないのかと後悔の念がグズグズに混ざり合い気持ちが悪い

彼女の笑顔を守るために、彼女を守るために頑張ってきたんじゃなかったのか

結局、足を引っ張っているのは自分だったんじゃないのか

カナメさんという恩人を守れればどうなったって構わない
もちこさんが無事なら自分はどうなろうが、知った事じゃない


せめて、せめて


明日も一緒に笑いあえるように

もちこさんが、笑って、自分の世界に戻れるように

何故こうも行く先は暗い
彼女が危険と出会うことのないように

自然とバルキリーの操縦レバーを握る手に力がこもる

彼女が、もちこさんが全員が無事でいられる様にと願う様に

それが実現するように



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