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彼がいたから彼が協力してくれるから、
私は今まで無事に生きてこられた。
不当な扱いも受けず、
役立たずだっていうのに捨てられず保護されて。
彼は私を生かしてくれたのに、
彼がダメだと言うだけで、私が彼が生きる手伝いをしなくて良い事にはならない。
警報がけたたましく響くラグナでは、夜も遅い時間だというのに人がバタバタと行き交っている
「お前は・・・もちこはどうするんだ。あの時の予知が生きてるかもしれないんだぞ」
アラド隊長の目にはワルキューレ衣装(仮)を身に纏った私が写り込んでいる。
(仮)って何やねんって思ったそこの貴方
まさしく言葉の通りなのです
何を隠そう昔のメンバーのお古をお借りしております。ライトブルーです。ちょい改良版です。
まさかのメンバーカラーの使い回し。私は知ってるんだからな。資料見せてもらってんだからな。
しかし今この状況ではいらん情報であることには間違いない。話を戻そう。
メッサー君がヴァールシンドロームの影響を受けていることはすでにアラドさんは把握していた。
それはそうだ。
元々私とメッサー君を救出し、保護してくれたのは彼、その人だ。
全てデータ化され、隊長が管理し監督する。そういう約束の元私たちはこのケイオス、デルタ小隊に居るのだ。
予知が生きてる、その意味は、わかっているつもりだ。
「それ以上に、何とかしてあげたいんです」
「あいつの意志は汲み取ってはやらないのか」
「・・・・私の気持ちを考慮してもらったんです」
「っ、俺もお前の事を心配してるとは思わなかったのか?」
元々険しかった顔がさらに眉間にしわを作っていく。アラドさんはこんな顔をする人だっただろうか。驚くほどに私はアラドさんの穏やかな顔しか見たことがなかったようだ。
「心配、してくれてるんですか」
「ばっ、バカ野郎が・・・心配ぐらいさせろ」
軽く頭を叩かれたが、ほんの少し震える指と、憂う顔と不安そうに揺れる瞳がチラリと見えて、なんとも言えない感情が襲う。
そんな顔しなくてもいいのに
私もやっと役に立てるかもしれないのに
どうにもここの人達は優しすぎるくらいに優しい様だ。
「メッサーくん、もう行っているん、です、よね」
「さっきな。俺もすぐ出る。もちこはトレーニングルー、」
「カナメさんたちのところに、行きます。」
遮ってしまったからか、それとも身を案じてくれているからか、少し眉がピクリと動き、みるみる怪訝そうな顔つきに変わっていく。
メッサー君は初めて会った時からずっとずっと約束を守ってくれている。
私も彼と約束をしたのだ。
あの時、
あまりにも不安で、あまりにも悲しくて。
心がとろとろにとろけてラグナの海に流されて行ってしまうのではないかと思ったほどだった。
目を閉じればまたどこかに行ってしまうんじゃないか
知らない場所で目がさめるんじゃないか
そんな心配や憔悴しきった心を温めなおしてくれたのはメッサー君だった。
ならきっと今がきっとそうなんだ
ぎゅっと彼と交わしたそれぞれの約束を胸に抱え直す。
耳を貫く警報も
私を射抜くアラドさんの気持ちも
全部まとめてかかって来てたって、答えは変わらない。
「・・・っ、危ないことはするな。無理も無茶もだ」
とうとう警報に加わり、人々が口々に準備や退避を促す声が飛び交い始めたところで、アラドさんはぎゅっと目を閉じた。
「わかったな」と呟くと確認する様にごつり、と私のおでこに自らの額を一瞬間くっつけて、全てを断ち切る様に急いで空へ向かって行った
私もいつまでもアラドさんを見送っているだけじゃダメだ
いつもよりちょっと重い服と、体にまとわりつく服を振り切って早く早く。
いつもよりもちょっぴりの勇気と恐怖が首に絡みついて離れないけれど、そんなものは今の私の敵じゃない
目指すはワルキューレ、みんなのところだ
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主人公ちょっとだけ前向きになります。
一般人と言いながらも歌います。
そして全体的に話の進む速度は遅めです
すっくり過ぎるくらい低速です。すいません
ALICE+