5






えーっと。
冒頭でSS高校とかやべーみたいな男に飢えてる感丸出しなのに、何故この超絶儚系男子と超絶あざと可愛い弟系美少年がスルーされているのか。
それを説明しよう。
これは独断と偏見によるもちこが贈るプレゼンなので貴方が判断してほしい。何故、なにゆえこの学校にはキャーキャー言われるフラワーフォー的な人物が居ないのかを。

まず亀甲くん
おっと、変態亀甲変態貞宗くんは、ご存知の通り変態だからである。
これに尽きるでな。

微笑み、優雅な振る舞い、王子的な顔をしているが、蓋を開ければ距離感が測れないわ、良くわからないとこで喜ぶわ、笑い方がキモいわ、放置するとニヤニヤし出すわで良い事ない。そして近い。物理的に近い。
これで引く人が多いね。

そしてエントリーNo.2加州清光
人懐っこくかわゆい弟系かと思いきや。
なんとまぁツンデレがすぎるオラオラ系ときた。
一回忘れ物届けに教室へ行ったらまぁピリピリギラギラツンツンしてて怖かった。クラスメイトに優しくしないとお前の席ねぇからってされるよ。
関わりたくない。ややこしい。
嫌な大人になるなよ。ほんとに。

まぁどっちも面倒臭ぇわけで。
一般人が仲良くするには骨が折れるし彼女なんて無理無理。

かく言う私も面倒臭いと思っている。
彼氏とか無理ですね。
ほら。私一般人ですし。

あの2人にキュンキュンしてるビジョンが想像できない

私はほぼ毎日ギクシャクしてる
ギクシャクって変?いやいや。ギクシャクするでしょうよ。
全然円滑じゃないでしょうよ。

クラスメイトには「あ、亀甲くんと仲良しといえば御手洗さんよ」とか「亀甲のことは御手洗に任せよう」とか言われるんだけどなにこれイジメかな?

仲良くないだろうが
席が隣なだけだろうが!


_________________________________ _


「ちょっとなんでお前がここに居るわけ?」

「お前だなんて・・・口が悪いなぁ。同郷同士仲良くしようよ。それにぼく先輩なのに・・・あ、御手洗さんなら今厠だよ」

「同郷って・・・お前も覚えてるって事だよね・・・」

昼休みにもちこに会いに彼女の教室まで来ると、教室の入り口である引き戸に手をかけて遮る男が居た。このヘラヘラしたツラは覚えて居る。


亀甲貞宗

「覚えてるさ。もちろん。彼女は君のこともぼくの事もなーんにも覚えてないみたいだけどね・・・ふふ」

「そりゃそうでしょ。俺の事も覚えてないんだからお前みたいな他所の奴の事なんて覚えてるわけないじゃん」

「ふふ・・・君が知ってることが全部正しい訳じゃ無い。彼女も等しくご主人様だったのさ・・・・ぼくのね。」

「は?・・・・何言ってんの?妄想も大概にしなよ。腹立たしい」

間違いなくこいつは違う審神者に仕えてた。こいつは何を言ってるんだ?

「・・・・まぁ、今は君の先輩であり、御手洗さんの同級生。しかも同じクラスで仲も良い。僕は主従関係も好きだけど、対等って言うのも存外いい。」

気持ち悪い笑いを浮かべる亀甲にイライラしたがまさしくその通りであり、自分もまたその事実に感謝しているのだ。
もちこが覚えてないのもまぁいい。
それでこそ対等になれるのがこの世の良いところなのだ。
しかし他所の刀に先手を取られるとはいただけない。腹立たしい事この上ない。
対等、つまり友、恋仲、家族になる事ができると言う事で。
好いた相手を想像でどうこうするのも自由な身であり、合法、双方の同意ならば実行可能な世なのだ。

・・・やば。想像した。
顔に熱がこもったのを見てニヤニヤする亀甲は俺の考えなんて見通して居るのだろう。

つい「くそっ」と可愛くない言葉を出してしまったけど、もちこに見られた訳じゃないしいいか。


______________________



家政婦は見た・・・
ひぃ
嘘だろ
亀甲変態と加州少年が密談しているだと・・・!?

あっあっ

清光くんが赤くなってる!?
亀甲くんも男子にも近づきすぎる癖やめた方がいい!やめた方が良いよ!
これは
これはまさに鬼畜亀甲先輩が清光をいじめて楽しみ、そしてツンツン清光くんは照れながらも満更でもない・・・・だと

やっぱりね。変態亀甲さんが超絶美少年を放って置くわけないよね。わかるわかる。

お腐れ様にネタをどんどん提供してくれたら良いのよ。みんなハッピー万万歳


清光くんが走り去ったのを確認して亀甲くんが居ない方のドアを潜り抜けて席に着く。
今日はお友達がみんなお休みなの・・・ぼっち飯さみし・・・おトイレ1人はまぁ良いんやけどね。私連れションタイプじゃないし。全然羨ましくないし


窓の外をぼーっと見つめてトイレ帰りに買って来たパックの牛乳にストローを刺したところでまたもやニヤニヤ顔の亀甲くんが近づいて来た

「牛乳・・・いいね」

なにがだよ
煌々とした顔がこわいよ
思わず手に力が入り、牛乳がちょっと溢れた。うう手がベトベトするうううう

「ふふ。御手洗さんは白い液体が似合うね。」
「ひぃっ・・何言ってるんだよ。液体が似合うってないわ。きもいよ亀甲くんきもい」
「正直な感想を述べて見たんだよ。褒めてるよ?」
「やめてよ!すぎるよ!下ネタがすぎる!」
「ん?白い液が何かって?」
「やめろ!!!」

こわいよー
やっぱり私の周りこわすぎるたすけて!


ALICE+