彩られた春(葵様:轟焦凍)





注意:インコの文才不足、知能不足でリクエストして下さった方の意にそぐわない場合がございます。多めに見てください。申し訳ない。と、先に頭を下げさせていただきます。



生前善い行いをすると、再び生を受けることができる。幼い頃そんな事をおばあちゃんに言われた気がする。うっすらとしか覚えていない記憶ではあるが、確かに、そう言っていた気がするのだ。

18歳になった日のことだ。
そこから私の記憶はプツリと途切れている。
そう。何が起こったのだろうかわからないのだが、私の人生はそこで幕を閉じたようなのだ。皆様そんな馬鹿なと思うでしょうが嘘ではないです。決して私がアホというわけでもなく。以前から私の住んでいる冬木という街には物騒な事件が度々起こっていた。ありえないわこんな街出て行ってやるんだからな!って思ってた矢先に火災が起きてそこで意識がなくなったのである。


はい。

そして、冒頭に戻る。
生前何かしたわけでも無い気がするけれどどうやら私は生きているようなのだ。
私は物心がつく頃気がついたのだ。御手洗もちことして第二の人生をスタートさせていたのだと。
しかし
やはり善い行いはした方がいいよみんな。
どうやら私の生きる第二の人生は超ド級のハードモードだったのである。ちゃんちゃん。
はいしぬー

なんとまぁ
信じられん事に巷には悪党とヒーローが存在し、あれ、それゴムゴムの実食べたのかな?っていう人が山ほどいるのだ。
しかもそれがなんと人口の8割以上。悪魔の実の保持者のごとく超能力の持ち主ばかり。
これをこの世では個性というのだそうだ。

これを聞いた時の私と言ったら。
個性って使い方間違ってない?
個性の枠で収まるんかよこれは!と相当憤慨した。

小学校では右も左も火を出したり泥になったり空飛んだり水になったりしてるわけです。
ありえねー!
ちょっと・・・ほんと、頭がパンクしちゃう・・・

かく言う私も、個性をしっかり保持しているわけである。

まぁ、今の所両親以外に個性の事は話していない。
何故かって?わかるだろ
なんかね。中二病ぽくて受け入れられない自分がいるのであります。平々凡々に18年も生活して急にこんな能力保持者になってしまった私は今だに慣れていない。
この個性社会にも。この世界自体にも。

そんな個性に無頓着な私、御手洗もちこの家のお隣さんが何を隠そうあの「エンデヴァー」、もとい轟家なのである。

世の中の皆様すいません
最近知りました
炎司おじさんごめんね。

だがまぁしかし、うちの親もヒーローには疎く、私もしかりだったので特に交流もない。
忙しそうだしね。
息子さんたちや娘さんには会って話はすれど、そこまでだ。


そんな私も晴れて以前と同じ年齢、そう。18になったのである。
学校へ行く足どりも軽くなるってもんだ。
違和感が抜け、ようやく自分に戻れたようなそんな気分だ。非常に良い気分である。ふふん。

家を出て、さあ学校へ行こうという瞬間

「もちこ、おはよう」
「・・・・・おはようございます」

家の扉を開けてすぐイケメンが立ってるって衝撃を一言で表す言葉ください。

こちらをじぃっっという効果音がつきそうなほど見つめる彼の名は轟焦凍くん

ヒーロー、エンデヴァーの息子さんだ。
彼も今年から英雄高校に通うらしい。
もちろんヒーロー科。さすが。
有名人の子供はやたらスパルタ教育受けるって言うのは本当だったんだね。私平凡家庭でよかった。ホロリ。
彼も例外ではなくまぁまぁ活動を制限されていた気がする。
最近ヒーローの家だって知ったわけだから、ヒーローの息子だからスパルタだ、とか頑張ってるんだなとか思うわけもなく、勉強熱心な両親の方針で近所のクソガキと遊ぶんじゃないって事かなって思ってたわけです。
幼い頃こっそり遊んだ気はするけど最近は全く会う事すらなかった。
だがしかしどういうわけか入学が決まった時から急に声をかけられ始めた。
青天の霹靂とはこの事である

「待ってた」


「えっ」


なに!?待たれてたの!?


「もちこを待ってた」
二回言われた
昔の可愛い彼は何処・・・
成長して背も伸びた轟くんが家の前で仁王立ちしてた
端整なお顔の無表情って怖いんだね
昔の満面の笑みカムバック
ほとんど覚えてないけど

私何かしたかな

「学校」
「え?」
「一緒だろ」
「ええと・・・まぁ。」
「行こう」
「ひえっ」
ぐいぐい引っ張られた腕が悲鳴をあげる
結構力強いんだね。あたっあいたたた

「朝、早いんだね・・・」
「まぁな。朝走ってる」
「そうなんだ・・・熱心だね。ヒーロー科はたのしい?」
「まぁ。まだわかんねぇけど」
「そ、そうだよね。まだ数日しかたってないしね」
「・・・・」
「・・・・」

たたたたたすけてー

これは難しいっ!
ミリオと同じくらいに難しい!!
あいつはクラス違うくせにずかずかやってきては意味不明な言葉並べて私の個性無理やり使わせようするハイテンションおバカだけど正反対すぎて同じくらい難しいよ!
あいつ普通科は結構ヒーロー科落ちてんだからな。マジ嫌味なやつだわ。無意識だけど!

「あれ?」
「?」
「どうしたのこれ?指少し切れてる」
「・・・ほんとだな。・・・・もちこの個性って治せるやつだった、よな」
「まぁ・・・」
「ん」
「は!?」
「ん」
「え!?」
「ん」
「んぐっ」

はー!?
こいつ私の口に指突っ込みやがった

説明しよう
そう
私の個性は治癒
私の唾液で覆える(なんかこの表現汚いな・・・)範囲ならば治療可能
骨折とかはむり!
大きな怪我も無理!

「ふふ」
「ちょっと!やめてよ!」
ふふっじゃないよ!
開いた口が塞がらないとはこの事だ。
しかし早く塞がないとまた指でも突っ込まれたら洒落にならないので閉じておく。

ニヤニヤ笑う轟くんこわい!
そういえば子供の頃個性をカミングアウトし合った気がする。
もう絶対容易に個性を明かすのはやめよう・・・こわいよ

「俺、授業で怪我したらもちこのところ行くから」
よろしく、そう言って彼は、いつの間にか着いていた英雄の校舎へ消えていった。

まじかよ
嫌だよ。絶対校舎で会わないようにしよう。逃げよう。

だめだ。そういえば家隣じゃん。
彼が1年生
私が3年生
1年だけしか被らないといえどまだ春。1年はまだまだこれから。始まったばかりである。


あっ
轟くんちゃんと手洗ってんだろうな?まさかトイレ行って手を洗わないタイプだったらマジ無理
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