陽炎に恋(RiA様:連載ifキースエアロウィンダミア)





注意:インコの文才不足、知能不足でリクエストして下さった方の意にそぐわない場合がございます。多めに見てください。申し訳ない。と、先に頭を下げさせていただきます。










「風の歌」たしか、そうだ、フレイアちゃんがそう言っていた気がする。
嫌に耳に残る幼い少年の歌声。
いざ口にして見るとするりとメロディが口から溢れた
その瞬間、まるで場面が移り変わったかのようパッと、目の前に大きなお城がそびえ立っているのがうつる

なんだこれ

びっくりして歌うのをやめると再び自室へと景色が戻る。

心臓がばくばくと音を立てて、ぶわりと生暖かな汗が溢れる。
なんだアレは。大きな灰色のお城。まるでおとぎ話の中のような。
その中に大きな目をさらに大きくさせてこちらに気がついた美しい少年。青年というには幼く、少年というにはたくましい。

一瞬だが、その美しい金の髪と青い瞳が印象的だった。

今のはいったい・・・
この歌はいったい・・・ウィンダミアでは一体どういう歌なんだろう
もう一度歌えば何かわかるんだろうか
何か、私でも役に立つことができるだろうか・・
喉はカラカラで汗もどっと出ているのに何故か歌だけはするりと喉を震わせメロディになっていく

まただ
パチリと瞬きのように、シャッターが降りるように瞬時に景色が色を変える

またあのお城
また、あの少年だった
少年?いや、青年?
先刻よりもグンと近く、さらに加速する。
彼の開かれた瞳に吸い込まれるような感覚。
彼は同じ位置で同じように私を見つめて、驚いたように目を見開き、そして、そして、

グインっと青年と顔がぶつかるほど近くまで近寄ったかと思うと、急に時間が止まったかのように風も空気も音を無くした
ただ目の前の美しい青年の顔が驚きの色からまるで喜ぶかのように笑んでいるのが見えた。
がしっと腕を掴まれガクンという衝撃が体に襲いかかる。

はっと息が詰まった

何かを言っていた気がする
なんだったんだろうか

なんだか不思議て気味の悪い夢。
あの歌はもう歌わない方がいい。やっぱり良くない事が起こるものなのだきっと。
気がつくと外はとうに深い黒に覆われて海は黒く底が見えない。

夜風に少しだけ当たろう。それくらいなら外へ出たっていいだろう。わざわざメッサー君を起こすまでもない。


外へ出て、なんとなく海の見える浜辺へと足を運ぶ。ぶわりと風が頬を乱暴になでていくのが気持ちいい。

時間は確認していなかったが、かなり夜も深まった時間なのか、人気も無ければなんの音も聞こえない。
さっきの青年は誰なんだろうか・・・
そう思ったところだった

キィン

と、音が聞こえたかと思うと口元に布を当てられ意識がぼやけていく
最後に見えたのは、背後から金の糸がふわりと揺れ、真っ黒な海に映り込む金が儚げで美しく揺らめく様だった。

次に眼が覚めると、ふかふかの大きなベッドに私は横たわっていた。
なっなんだこりゃ

「眼が覚めたか」
「だ、だれ!?」
「俺の顔を見ただろう。忘れたとは言わせないぞ憎き地球人」
「憎き・・・?あ、あなたあのお城の男の子?でも、あれ?」
「ふん、男の子・・・か。夢の中での逢瀬、忘れたとは言わせない・・・。俺は1度見た時から覚えていた。初めて見た時は幼子の時であったが、2度めは白騎士としての任を任された後すぐだった。あれから行く時も待ちわびたぞこの時、この瞬間を」
「な、なに?どういうこと」
「お前が憎い。地球人め。その顔、思い出すたびに胸に幾度となく刃が刺さり、脳は揺さぶられた気分だった。ランドールで貴様を見つけた時は風が俺の味方をしたと思った。しかしお前はもはや俺の手の内だ。」
いつの間にか目の前までやってきた金髪の男はあの時のウィンダミアの騎士の1人だったの?ベッドに登ってきたので思わず「ひっ」と声が出てしまった。怖い。泣きそうだ。

「それなのにどうだ。手をかける事も出来ない。憎い地球人の筈なのに・・・お前の泣いた顔も見たくない。今のその顔も・・・俺の心臓を抉る」

後ずさりするもベッドの上の為すぐに行き止まりだ。壁にピタリと背をつけてできるだけ距離をとる
が、すぐに目の前に男が迫る。息が顔にかかりそうな距離だ。左右に逃げ道を探すが、すでに腕を壁に打ち付け道を阻まれてしまう。

「もはやお前はあの場所へは戻れはしない。俺のものになる他ない。」
「な、なんの話なの」
「俺のものになれ」
「は・・・」
いきなりなんだっていうんだ
初対面の男に誘拐されていきなり俺のもの?
意味がわからない
そんな気持ちを読み取ったのか、男の顔が険しくなる

「言葉だけでいい」

グニャリと男の顔が苦悶の色を浮かべて歪む。今にも泣きそうな、そんな顔になっていく
「言葉だけで、いいんだ」

「お前たちと俺たちの時間はあまりにも違う。それはよく分かっている。だから」

「どうか、一時だけ」

「俺の愛を受け入れて」

やめてそんな切なそうな顔しないで

憎い憎いと言う彼が私に触れる。
その腕は驚くほど優しげでほんの少し震えていた。











※リクエストありがとうございます。分かりにくいかと思うので以下説明です。説明文も分かりにくいです。夢主がハインツ様の歌を歌った時だけ夢として10歳ごろ、16歳ごろ(完全捏造)に会う→キースが運命感じる→なんだこの胸のざわめき探すぜ→発見した夢主を攫う→ここで恋心を自覚するって話です。読んでくださりありがとうございました!
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