ループループループ
1回目
訳がわからなくて、悲しくなった
全部通ってきた道をまっすぐ進む
また1年、また2年既視感のある日々を暮らす
2回目
ちょっぴり喜んだ
同じように歩んでしまった道を一つでも修正しよう。二人とも生き残れる未来をつかめるように
3回目
失敗
でも前回と違うのは、死んでしまった日が違うこと。私はメッサー君と出会う前に死んだ。
4回目
流石にこのへんな繰り返しの人生から外れたと思ったけれど変わらず目がさめると砂埃の中
もう疲れてきた
相変わらず同じような道筋が見えただけだった
もう何度繰り返したのだろうか
もう何度も何度も終焉を迎えていると言うのに、人間の記憶力は薄情なもので、何度繰り返してもだんだん薄れていくのか、全てを覚えていられない。
初めは帰りたくて帰りたくて、それだけを考えていたはずだ
今では何故だろう
何度も何度も彼、メッサー・イーレフェルト の死を見てきたからだろうか
私が死ぬか、彼が死ぬか
どちらかしか見ていない
二人が助かる道はどこを探してもないのだろうか
ぼう、っと空を見上げれば、雲一つない青空
少しずらせば、隊服のメッサー君。
今回のメッサーくんはちょっと冷たい
ジワ、と目に涙が溜まるのがわかった
ああ、当たり前か。
私だけが何度も繰り返して疲れて、面倒になって諦めて、目の前の彼を蔑ろにし続けた結果がこれだ
最悪
最悪だ
「・・・御手洗、さん?どうしたんですか?」
ほら
名前じゃない。
こんなに、こんなに辛いなんて思わなかった
ああ、もう、
困った顔のメッサー君はさらに眉間に皺を増やすだけで、違う場所を見てしまっている
変な女だと思われているんだろう
私もそう思う
ようやく気がつくなんてひどい
こんな状況で気がつくなんてひどいよ
今までだってそう。私が死のうが、疲れようが最後に行き着くのはメッサー君だった。
私はメッサー君に死んでほしくない
メッサー君にだけは、死んでほしくなかった
メッサー君が、好き、
都合のいい女、ひどい奴
「メ、メッサーくん」
じわじわと溢れてくる涙は止まらない
私に視線が戻ったメッサー君はびっくりして目を見開いている。急に泣き出せば誰だってびっくりする
その後にどんな顔をするのか見たくなくて、ぎゅっと目を閉じた
そっと頭に手が触れるのがわかった
顔を上げるとメッサー君が困った顔で頭を撫でて頬を伝う涙を拭ってくれる
結局メッサー君は優しい
自覚すれば、どんどんどんどん加速していく
好きな気持ち、そばにいたい
「ごめん、なさい、私」
「・・・御手洗さん、何かありましたか?俺が何か、してしまいましたか・・・?」
「わ、私・・・メッサー君が好き、ごめんなさ、ごめんなさい、でも、お願い、名前で呼んで、何かして欲しいわけじゃないの、今のままでいい、お願い」
何にもいらない
この気持ちだけでいい
この気持ちに気がつけただけで、
このまま立ち去ってくれたって構わない
だからどうか明日からは名前で呼んで
ギリギリと締め付けてくる悲しみが私の恋心を殺してしまう
思い出も一緒に斬り付けられてしまう
触れていた手がピクリと震える
顔を見れなくて下げていた顔を上げると、赤らんだ顔、呆けた表情
どれをとっても、見たことない顔
ふわりと優しく包む両腕が布ごしなのに、熱くなっているのわかる。
「・・・急にそんなこと、困ります」
キュッと体に力が入る
勝手に期待した、罰だ
恥ずかしさと切なさでどうにかなりそうだ
惨めすぎてこの場から去ってしまいたい
身をよじると、なぜかぎゅっと強く抱きしめられた。
「・・・・嬉しいですもちこさん・・・」
耳元で呟かれた言葉に、信じられない気持ちが広がる
それと同じくらい嬉しい気持ちが溢れて、体も頭も心まで幸福な気持ちが広がっていく
信じられない
信じていいの?
目と目があって、唇が触れ合って
このまま蕩けてしまいそう
終わりが来るのがわかってた
いつだってそうだった
今回が特別そうなわけじゃない
どうしてだろう
神様は意地悪だ
通信が切れて、もう私たちを呼び止める声は聞こえない。
閃光が飛び交う中で、そっと目を閉じる
歌は、鳴り止まない
私もそれは止めたくない
体が熱い
耳鳴りがして、それ以外聞こえない
願い事を、そっと瞼に乗せて、ゆっくりと開ける
そこは、そこには
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死んだ瞬間にΔ世界に来た時まで戻るループパロでした。
想像にお任せします、みたいな続き方が好きすぎてこんな感じの終わりにしてしまいました。
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