後輩くん──もとい、三海くんは大胆不敵というか、なんでも無いような顔で突然突拍子も無いことをするので、大変心臓に悪い。

例えば、そう。こんなふうに───


「…っ、ふ、ぅ」


逃がさんと言わんばかりに後頭部をしっかりと押さえられ、わたしは三海くんにされるがままだった。口内がどちらのものかも分からない唾液でぐちゃぐちゃになっていて、未知の感覚に頭がくらくらした。

わたしの舌を蹂躙した三海くんは満足したのか、ゆっくりと名残惜しそうに唇を離した。

とろんとした色素の薄い瞳と目が合う。

「…先輩、今すごくえっちな顔してます」

それはこっちの台詞だ。



「イチャつくなら他所でやってくれない? 公共の福祉に反するんだけど」

「…えっ、あ、ええっ」

よく知る第三者の声に驚く。椿里くんだった。

「み、みみっ、見てた…!?」
「僕が見てたんじゃなくて、あんたらが見せつけてたんでしょーが」
「先輩、もう一回…」
「三海くんは空気読んで!?」
「痴女」
「エッわたしが悪いの!? って、三海くん、ちょっ、待」

ガキン!

「──っ」
「だーかーらー、公共の福祉に反するって言ってるだろこのクソ後輩」
「邪魔しないでください」
「てか宥風も。ヤるなら家帰ってからにしてくんないこのクソビッチが」
「ヤらないよ!?なんの話してるの!?」
「うるさいビッチ」
「誤解だー!!」