※FGO×とうらぶになる予定のやつだった
※序盤だからFGO側
大前提として、カルデアでは未来へのレイシフトは不可能であった。
BBが過去に、しかし記録上には全く残っていない発言では未来へのレイシフト自体は難易度が高いだけで可能ではあると。しかしカルデアでは2017年より先へのレイシフトは出来ない。
つまり未来からの襲撃に対し、カルデアはあまりにも無力だった。
「いいかい、君達の目的はあくまでも彼の奪還のみだ。どんな不確定要素が待ち受けているかも分からないところに何の後方支援なしに放り出す不甲斐なさへの叱咤は無事に事が済んだ後に甘んじて受けよう。とにかく、事態は一刻を争う。不本意ながらも助っ人として技術提供をしてくれた彼女の胡散臭さにも今だけは目を瞑って、事態の収拾に尽力をしてほしい」
ダ・ヴィンチの言葉に、場に呼び出された英霊は各々頷く。
そんな彼等の反応を見つつ技術提供者として協力した、少女を象るAIは頬を膨らませて不満げな表情を作っていた。
「嫌ですねえ、BBちゃんはカルデアの皆さんの為を思ってひっそりと、けれどコツコツ貯めてたリソースを提供し、善意で協力するんですよ。本当は、この時間軸に存在しているであろう先輩の身体をひっそり発掘アーンド回収するとかワンチャンいけるのでは…?なーんてささやかな目標を持ちながら主婦のタンス貯金の如く、コツコツと必死に貯めていた貴重なリソースです。いくら私が儚く可憐で世界一可愛いラスボス系後輩だからといって、善意での協力を胡散臭いなんて言われると流石に傷付きます」
「傷付きます、と言っておきながらも顔が笑ってますよ、BBさん」
クスン、と鼻を鳴らすような素振りを見せる彼女に、冷静にツッコミを入れるのはだんだら模様の羽織を纏う少女だ。
「えー、本当ですか?ご指摘ありがとうございます♡いけないいけない、サーヴァントも呼べず滑稽に囚われ系ヒロインムーブしてるであろうセンパイのことを思うと面白くてついつい笑顔に、いえ、心配でつい笑顔に」
「いや心配で笑顔にはならんじゃろが。素直に面白くて笑顔になってしまうでいいんじゃが。そっちの方が納得出来るしの」
そう言って頂けるなら、BBちゃんも無理に心配ムーブしなくていいですよね!と別のツッコミを受けて開き直って笑うムーンキャンサーの少女は、さてと場を引き締めるような一声を入れ、説明の為にあらためて口を開く。
「今回は未来へのレイシフトになります。先程のダ・ヴィンチさんが説明されていたように、こちらからの支援は無いと捉えてください。本来、カルデアのレイシフトは未来へは不可能とされていますがそこはこの私、頼れるラスボス系後輩のBBちゃんが特別にどうにかしましたから、どうぞご安心を。こちら技術提供といっても私ひとりで担当してるので、レイシフト先に同行することは出来ませんので、皆さんは現地で各々頑張ってセンパイを救出してください」
片道切符になるのでは、と首を傾げる英霊の一騎に、御心配には及びませんと自信満々に少女は胸を叩く。
「アンカーを用意しています。センパイがどなたかに救助された場合、全員のアンカーを引き上げ、強制的に回収することになっています。強引な手法ですが、私が干渉出来る時間もリソースも無限ではありませんので、零基が損傷しないだけマシと思ってください」
「そういう訳だ。とにかく、先程渡したお守りがアンカーになる。くれぐれもなくさないでくれたまえ、本当の片道切符になってしまうからね。最悪、現地で力尽きても彼さえ帰還すれば再召喚も可能だ。しかし出来れば全員無事カルデアに帰還してほしいし、彼もそれを望む筈だ。無茶はせず、彼の奪還のみを優先に考えてほしい」
BBに続くよう、ダ・ヴィンチも言葉を付け加える。
その場にいる英霊全員がしっかりと頷いたことを確認し、BBは月の裏側からもうずっと手に馴染み続ける錫杖を片手に、小悪魔的な笑みを浮かべる。
「さて、準備はよろしいですか? それではどうぞ皆さん行ってらっしゃーい♡」
斯くして、救出劇という名の幕は開かれる。