※序盤しかない=未完🍊です
※続きは気力と体力に相談だ!!!



「ドクターって恋愛相談的なカウンセリングとかは出来るの?」
「………三十路独身男に何を言うのかと思えば、藤丸くん。ボクはたしかに医療部門のトップだけれども、現状で得られている情報ですでに察せるよね? 三十路独身男に恋愛相談しても何の実りもないよ。カウンセリングだろうと愚痴だろうと、ボクの心は致命傷を負うことになるんだけど」

第五特異点を修復し終え、また一つ脅威を取り除けたとカルデア内でも喜びに胸を撫で下ろすスタッフが多い中、次の特異点に向けて準備をせねばとロマニが珈琲を啜りながら気合を入れ直したところで来訪者がやってきた。そしてこの発言である。
人類最後のマスターである藤丸立香が、ロマニに向けて発したこの言葉。
恋愛相談。
そうだね、君はまだ若いもんねこんな閉鎖空間にいようと青春は謳歌しようと思えば出来ちゃうよねだって魅力的なサーヴァントもいっぱいいるしそもそも彼を先輩と慕うマシュはとても可愛らしいもんねそりゃあ青春は遠慮なく謳歌出来ちゃうよね満喫出来ちゃうよねこの会話が僕に対する嫌味ではないことを信じてるぞぅ!?
心の中でそんな悲鳴を上げながら、しかし表には一切出さずにロマニは冷静に淡々と返事を返す。

「でも、その……こんなこと話せるの、ドクターしかいなくて……」
「………。オーケー、僕に話をすることで君が楽になるのなら遠慮なく話してくれ。でも最初に言っておくよ、僕は気の利いたアドバイスなんて出来ないからね。それでもいいなら聞くよ」

青春真っ盛りのティーンエイジャーに恋愛についての助言を乞われても、三十路のロマニには最早未知の領域すぎて答えが分からない。そもそも恋愛というものをまともにしたことがないので、どの年齢層にもロマニの知識は対応していない。ネットアイドルを推してる時点で察してほしい。
藤丸が、えっとね、と妙にドギマギしながら口を開くので、ロマニはどのような言葉が飛び出しても肯定的な言葉を返してやればいいだろうと考え、続きを促すように「うん」と相槌を打ってやれば。

「……ダビデをね、こう、恋愛的な意味で、好きに……なりまして」
「んぶっ」

――とんでもない爆弾が投下された。



* * *



「藤丸くんが、貴方を好きだそうで」

昼間の会話を思い出しながら、ベッドに寝そべってタブレットを眺めている己の父親である男に対してロマニはそう告げた。
その言葉が耳に届くと同時にタブレットに落としていた視線を上げ、寝る準備の為に上着を脱いでる真っ最中の息子へと顔を向けたダビデは、その美しい緑髪を揺らして首を傾げる。

「それ、僕に言ってもいい話かい? こういう特殊なところだからあまり意味がないとは思うけど、それでも患者の個人情報を漏洩するということは、不味いことなんだろう?」
「本来はよくないことですけど、誰にも言わないとかそういう約束もしてなかったので。当事者である貴方にだけ教えておこうかと」

脱ぎ終えた上着を椅子に掛け、ロマニもベッドに上がり込む。二人分の体重によってベッドが軋み、ギシリと音を鳴らすが気にはしない。
ロマニがベッドの上に上がり込むのが合図のように、ダビデは手にしていたタブレットの電源を切ってサイドテーブルの上へと端末を置き、足元に押し退けていた毛布を引っ掴み、隣に寝転がる息子にも掛けてやる。

「……父上の御体を性的に見てるそうです」
「ええー。これから僕はマスターとどう接すれば正解なんだろうね。まあ、肉食系女子サーヴァント達から狙われる生活で精神がすり減って、同性という安全圏へと癒しを求めた結果、妙な勘違いを起こしてるんじゃないかな。彼もまだ若いから、抱く感情の名を間違うこともあるだろう。その内熱も冷めて正気に戻るさ」
「そうでしょうか」
「なんだいお前、妬いていたりするのかな」

灯りも最低限まで落とし、あとは寝るだけ。意識が落ちるまでののんびりとした時間。そんな時間にするような話ではない。

『わかるよ! なんでダビデなんだって思うんでしょ? ドクター、妙にダビデに厳しいもんね。でもさ、考えてみてよ。あんなにえっちな服着てるんだよ? 健全な青少年の性癖歪める気しか感じられないんだよ……!』
『落ち着いて藤丸くん。あの人にそんな気は一切ないから。羊飼いだからああいう軽装なだけだから』
『ドクターはダビデの服装もっと凝視した方がいいよ!? 絶対性癖歪むから!』
『共感を得たいからって僕の性癖を巻き込まないでくれるかなぁ!?』

昼間の医務室で交わされた言葉を思い出す。
藤丸が恋と定めたあの感情は、本当にダビデが言う勘違いで済むような熱量なのだろうか。あまりにも具体的に彼に下心を抱いていた。ロマニが父に抱く欲と、彼がダビデに抱く欲はほぼ同類のものだ。
身体のラインが艶めかしい。戦闘中に激しく動くことによってチラリチラリと見える尻の形があまりにもスケベだ。左の乳首は頑張ったら見えるのではないかといつも凝視してしまう。太腿の絶対領域に指を突っ込んでしまいたい。
その他にも、とんでもない暴露を聞いてしまった。あの場ではロマニはヘーソウナンダーとカタコトの相槌を打っていたが、実際のところ藤丸の話を聞けば聞く程冷や汗が止まらなかった。うわ、僕の父上、ここでも人を狂わせていらっしゃる――と。



唐突に終わるよ:(っ'ヮ'c):

.