ありがとう
「……ん…」
久々に感じる月の淡い光に目をあけると
大きな丸い月が目に入った。辺りを見渡す。
揺れている感覚にここは船なんだと気づいた。
そして、自分が身につけているものが変わっていることにも気づき顔を強ばらせた。
「俺は、やってねーよ。部下の来島にやらせた。あとであわせてやる。礼でも言っとけ」
襖の方を見ると高杉が寄りかかりながら
キセルを咥えていた。
そんな高杉を見つめる。
「…ありがとう」
ただそれしか言葉が見当たらない。
そんなプリンセスに近づく高杉、見つめ合った目をそらすことはなかった。
「ずっと、お前を探してた。あん時からお前の声が俺の中にいやがる。」
「…銀時と桂は…今どうしてるの…?」
あの時のことを思い出し悲しい顔を見せるプリンセスだったが、何よりもその時生きていた仲間のことが気になった。
その言葉を聞いた高杉から発せられる空気が変わったのを感じとりプリンセスは高杉から目を逸らした。しかし、顎を掴まれ阻止される。
「今、あいつらの話はすんな… さすがのお前でも殺すぞ。」
冗談だと笑いながら立ち上がる高杉だが、その影には怒りが伝わるほど溢れていた。
そんな高杉を目で追う。口を震わせるプリンセス。
「晋助は、今何をしてるの…?」
「…ああ。少し外出るか。」
綺麗な顔…
月を見つめる高杉の横顔に見惚れるプリンセスに手を伸ばす。今度こそはその手を掴むことが出来、艶めかしい笑いを浮かべる高杉。
そしてプリンセスは微笑み返した。
夜の風は少し冷たく、プリンセスの髪を掠める。
久々に見る外の世界に生きていることを感じる。
「プリンセス、俺はなあ、この腐れきった世界をただ壊してーんだ」
突然発せられたその言葉にプリンセスは握られていた手を離す。
「……そんなことして晋助は…どうするの…?」
「…ククク…さあな」
唇を震わせ、自分を見つめて問うプリンセスに高杉は艶めかしい笑いを浮かべプリンセスの目を捉える。
「なあ…プリンセスも一緒に壊さねーか?」
「…え」
「お前も憎いだろ、この世界が。」
頭の中に浮かぶ沢山の仲間の死体。
そして、目の前で落ちる先生の首。
肩を震わせ俯くプリンセスに高杉は、その小さい体を自分の方へ抱き寄せる。高杉の行動にプリンセスは、自分の体を高杉へとあずけた。
………
しばらくしてプリンセスは口を開いた。
「………ごめん、晋助。アタシには出来ない。」
高杉の胸を押し顔を上げ、目を見る。
「…確かに、この世界を壊したいぐらい恨みが沢山ある。…でも、そんなことしても…帰ってこないから…」
また涙が込み上げてくる。しかし、見つめる目は逸らさなかった。自分の気持ちが高杉に届き高杉の考えも変わるのではないかと…。
「…そうか。」
そう呟き、月を見つめる高杉の横顔は少し悲しそうだった。
「…銀時とズラは、江戸にいる。」
「え」
「…あったことがなかったかのように、呑気に生きてやがる。」
その言葉に銀時と桂の姿を浮かべ、頬を緩める。
久々に感じる月の淡い光に目をあけると
大きな丸い月が目に入った。辺りを見渡す。
揺れている感覚にここは船なんだと気づいた。
そして、自分が身につけているものが変わっていることにも気づき顔を強ばらせた。
「俺は、やってねーよ。部下の来島にやらせた。あとであわせてやる。礼でも言っとけ」
襖の方を見ると高杉が寄りかかりながら
キセルを咥えていた。
そんな高杉を見つめる。
「…ありがとう」
ただそれしか言葉が見当たらない。
そんなプリンセスに近づく高杉、見つめ合った目をそらすことはなかった。
「ずっと、お前を探してた。あん時からお前の声が俺の中にいやがる。」
「…銀時と桂は…今どうしてるの…?」
あの時のことを思い出し悲しい顔を見せるプリンセスだったが、何よりもその時生きていた仲間のことが気になった。
その言葉を聞いた高杉から発せられる空気が変わったのを感じとりプリンセスは高杉から目を逸らした。しかし、顎を掴まれ阻止される。
「今、あいつらの話はすんな… さすがのお前でも殺すぞ。」
冗談だと笑いながら立ち上がる高杉だが、その影には怒りが伝わるほど溢れていた。
そんな高杉を目で追う。口を震わせるプリンセス。
「晋助は、今何をしてるの…?」
「…ああ。少し外出るか。」
綺麗な顔…
月を見つめる高杉の横顔に見惚れるプリンセスに手を伸ばす。今度こそはその手を掴むことが出来、艶めかしい笑いを浮かべる高杉。
そしてプリンセスは微笑み返した。
夜の風は少し冷たく、プリンセスの髪を掠める。
久々に見る外の世界に生きていることを感じる。
「プリンセス、俺はなあ、この腐れきった世界をただ壊してーんだ」
突然発せられたその言葉にプリンセスは握られていた手を離す。
「……そんなことして晋助は…どうするの…?」
「…ククク…さあな」
唇を震わせ、自分を見つめて問うプリンセスに高杉は艶めかしい笑いを浮かべプリンセスの目を捉える。
「なあ…プリンセスも一緒に壊さねーか?」
「…え」
「お前も憎いだろ、この世界が。」
頭の中に浮かぶ沢山の仲間の死体。
そして、目の前で落ちる先生の首。
肩を震わせ俯くプリンセスに高杉は、その小さい体を自分の方へ抱き寄せる。高杉の行動にプリンセスは、自分の体を高杉へとあずけた。
………
しばらくしてプリンセスは口を開いた。
「………ごめん、晋助。アタシには出来ない。」
高杉の胸を押し顔を上げ、目を見る。
「…確かに、この世界を壊したいぐらい恨みが沢山ある。…でも、そんなことしても…帰ってこないから…」
また涙が込み上げてくる。しかし、見つめる目は逸らさなかった。自分の気持ちが高杉に届き高杉の考えも変わるのではないかと…。
「…そうか。」
そう呟き、月を見つめる高杉の横顔は少し悲しそうだった。
「…銀時とズラは、江戸にいる。」
「え」
「…あったことがなかったかのように、呑気に生きてやがる。」
その言葉に銀時と桂の姿を浮かべ、頬を緩める。