銀時…?


肌寒さを感じ、目を覚ますとまだ月が薄っすらと残る空が目にはいった。
プリンセスは、起き上がり冷たい床へと足を踏み入れた。襖を開け、置いてある履き物を手に取った。
冷たい空気が漂う中をある人物を求め歩く。
すると、今までとは違う雰囲気の漂う襖を見つけた。ここに、いる。

そう思い襖へと手をかける。
中は、他の部屋とは違う高貴な空間が漂っていた。
その奥にある襖にいるのだろうか。

奥にある襖を開ける。
すると、探していた人物が眠っていた。
その人物へと近づき、足をその場で崩す。

「晋助‥助けてくれてありがとう‥。」

耳元へと口を寄せ、最後に左目に軽く唇をあてた。
そして、プリンセスはその場を高杉を起こさぬように、見つからないように慎重に素早く出て行った。

そんなプリンセスの行動を最初から気付いていた高杉は、布団から自身の身体を出しキセルを咬まえた。そして、外が見えるところへと腰掛けた。

「晋助どの。」

襖の向こうから聞こえる声。
高杉は何も返事をせず、ただただ外を眺めていた。
すると襖が開き、その声の人物、万斉を目にすると
高杉は艶めかしい笑いを浮かべた。

「行ってしまったでござるよ。」

万斉のその言葉に高杉は
また外を眺め、丁度出てきたプリンセスの姿を目で追う。

「ああ。‥すぐに俺のとこに連れ戻すけどな。あいつぁ、昔から俺の背中を追う奴だ。俺なしじゃなんも出来ねー‥」

過去の思い出振り返るように
プリンセスの姿を目で追い艶めかしい笑いを浮かべる高杉に、万斉は眉を下げ微笑む。
高杉の横顔は妙に悲しく見えたが、恐ろしくも見えた。


長い間、この地球にいなかったプリンセスは
行くあてもなくただ歩いていた。
プリンセスは、行き場もなく頼りもない
そんな自分に孤独さを感じた。

その場に立ち尽くし、足元を見た。
足はとても痛く歩くことさえも辛かった。
その場にしゃがみ込む。
朝方だったため人はいない。

ハァ晋助‥‥‥

って、臭っ!!

突然、鼻につく臭いに顔を上げる。
すると、目の前に真っ白いモフモフとした大きな犬がいた。そして、その犬は糞をしていた。

「くっっさい!てか、でかっ!!」

思わず言葉にだす。

「あの〜、お姉さん?こいつのクソでけーから‥って‥お前‥」

鼻をつまみながら、デカイ犬の糞をとる男は
顔を上げプリンセスを見た。懐かしい顔に、いつもは死んだような目をしているがそれを大きく見開いた。そんな男と目が合うプリンセスも懐かしい顔に驚きを隠せなかった。

「銀‥時‥?」

「プリンセスか‥?」

突然の再開にプリンセスは会えたことの嬉しさか、涙を目に浮かべながら
満面の笑みで銀時へと抱きついた。

「あはは、銀時!会いたかった!良かった!」

「おまっ、離れろ!うんこつくぞ!」

抱きつく、プリンセスに銀時は
糞をつけないようになるべく離し、
困りはてた笑いを浮かべた。