本丸案内
雲一つない空に響き渡る鈴の音。この音がこの本丸の朝の始まりだ。
「諸君、おはよう」
長谷部の声も朝の始まりを示す、その声に皆それぞれハモりのない挨拶を返す。
「仲間になった刀剣男士…いや、刀剣女士がいる。」
「「え」」
長谷部の言葉に皆、豆鉄砲を食らったかの様に長谷部に目を向けた。
「プリンセス。」
長谷部がそう名前を呼ぶとその後ろの襖が開かれ、そこからプリンセスが出てきた。昨夜、あまり眠れなかったのか、その顔色は少し悪かった。そして長谷部の隣に並ぶ。
「お、女」
長谷部と燭台切光忠の間にいる、見て分かる通りまったくの体格差の違いがあるプリンセスの姿に同田貫正国は始めて乱藤四郎を目にした時のように声を上げた。
「ほ〜、随分と別嬪さんな、おなごじゃき」
「そんなにじろじろ見たら失礼だろ。よっ、よろしくなプリンセスちゃん」
独特の方言の強い口調で顎に手を添えプリンセスの顔を覗く陸奥守吉行に、軽い口調で人懐っこい笑みを浮かべ話しかける鶴丸国永。
「陸奥守くん、鶴丸さん、そこまでグイグイ来られちゃうとプリンセスちゃん、困っちゃうよ?」
苦笑いを浮かべ一歩後ろへと引き下がるプリンセスの様子に気付いた燭台切光忠が困ったように笑みを浮かべ口にすると注意を受けた二人も少々反省する様に苦笑いを浮かべ元の場所へと下がる。
そしていつもの様に内番が発表された。
「加州、大和守。二人は、プリンセスに本丸を案内してくれ。」
「えーなんで俺?」
「主たってのご指名だ、ありがたく思え。」
始めは嫌な顔をするも、主のご指名と言う事で加州は骨格を軽く上げて少し笑みを浮かべた。
「実を言うと俺がな、昔の縁もある…案内したい所なんだが‥主の世話を出来るのは俺ぐ「そうだね、今の主様が相当お好みのようで」
長谷部の言葉を切り、嫌味ったらしく笑みを浮かべプリンセスは声を上げた。そして加州と大和守に近づく。
「プリンセス、俺はまだ喋り終えていないのだが…それに‥!」
「まぁ良い」と少々取り乱した気持ちを抑える為コホンと一つ息を整え長谷部は、その場から立ち去った。
「プリンセスって言ったけ?俺は加州清光。で、こっちは大和守安定。」
「よろしく」と加州はプリンセスへと手を前に出す。プリンセスは加州の爪が朱色に塗られている事に一瞬驚き止まるも、その手を握り返し握手を交わした。
「プリンセスさん、よろしくね」
大和守も加州と同じようにプリンセスの前に手を出す。その顔は少年の様にきらきらと爽やかな笑顔を浮かべていた。そしてプリンセスはその手を握り返した。
「諸君、おはよう」
長谷部の声も朝の始まりを示す、その声に皆それぞれハモりのない挨拶を返す。
「仲間になった刀剣男士…いや、刀剣女士がいる。」
「「え」」
長谷部の言葉に皆、豆鉄砲を食らったかの様に長谷部に目を向けた。
「プリンセス。」
長谷部がそう名前を呼ぶとその後ろの襖が開かれ、そこからプリンセスが出てきた。昨夜、あまり眠れなかったのか、その顔色は少し悪かった。そして長谷部の隣に並ぶ。
「お、女」
長谷部と燭台切光忠の間にいる、見て分かる通りまったくの体格差の違いがあるプリンセスの姿に同田貫正国は始めて乱藤四郎を目にした時のように声を上げた。
「ほ〜、随分と別嬪さんな、おなごじゃき」
「そんなにじろじろ見たら失礼だろ。よっ、よろしくなプリンセスちゃん」
独特の方言の強い口調で顎に手を添えプリンセスの顔を覗く陸奥守吉行に、軽い口調で人懐っこい笑みを浮かべ話しかける鶴丸国永。
「陸奥守くん、鶴丸さん、そこまでグイグイ来られちゃうとプリンセスちゃん、困っちゃうよ?」
苦笑いを浮かべ一歩後ろへと引き下がるプリンセスの様子に気付いた燭台切光忠が困ったように笑みを浮かべ口にすると注意を受けた二人も少々反省する様に苦笑いを浮かべ元の場所へと下がる。
そしていつもの様に内番が発表された。
「加州、大和守。二人は、プリンセスに本丸を案内してくれ。」
「えーなんで俺?」
「主たってのご指名だ、ありがたく思え。」
始めは嫌な顔をするも、主のご指名と言う事で加州は骨格を軽く上げて少し笑みを浮かべた。
「実を言うと俺がな、昔の縁もある…案内したい所なんだが‥主の世話を出来るのは俺ぐ「そうだね、今の主様が相当お好みのようで」
長谷部の言葉を切り、嫌味ったらしく笑みを浮かべプリンセスは声を上げた。そして加州と大和守に近づく。
「プリンセス、俺はまだ喋り終えていないのだが…それに‥!」
「まぁ良い」と少々取り乱した気持ちを抑える為コホンと一つ息を整え長谷部は、その場から立ち去った。
「プリンセスって言ったけ?俺は加州清光。で、こっちは大和守安定。」
「よろしく」と加州はプリンセスへと手を前に出す。プリンセスは加州の爪が朱色に塗られている事に一瞬驚き止まるも、その手を握り返し握手を交わした。
「プリンセスさん、よろしくね」
大和守も加州と同じようにプリンセスの前に手を出す。その顔は少年の様にきらきらと爽やかな笑顔を浮かべていた。そしてプリンセスはその手を握り返した。