「princess中将…この船に乗ってて大丈夫なのか…」

「オニグモ中将、お気に召さず」

引き攣った表情で問いかけるオニグモにprincessは目の笑っていない笑みを浮かべた。


「まあ、princess中将がいた方が安全かもしれないな。インペルダウンにモンキー・D・ルフィが侵入したそうだ。」

「ルフィ!!??…麦わらの!?」

オニグモの言葉に驚きと感情の高まりを見せるprincessにオニグモはそうだと少し引き気味に応えた。


(ルフィ…良かった…生きてたのね…!)

嬉しさと気持ちの高ぶりで一人笑みを浮かべるprincessは微かな期待を抱いた。



………


数日経ちprincessを乗せた軍艦とその他多数の軍艦はインペルダウンへと着港した。

princessはオニグモに続き船を降りた。そして、そこにはいくつもの海兵に囲まれマゼランに連れられ錠を腕にぶら下げたエースがいた。princessは、それを表情を険しくさせインペルダウンの方へと目を逃し船へとあがった。

(ルフィ…)


軍艦へと歩かせられるエース、そして椅子に座らされそこからまた足を錠で繋がれ椅子にも巻きつけられた。エースの元へ歩き寄るprincess。

「エース…ルフィがインペルダウンに侵入してたんだって…知ってた?」

悲しそうな笑みを浮かべ自分を見てくるprincessにエースはちらっと目にしすぐに正面へと目を戻しああと返事した。

「こんな近くにいるのに…海賊と海軍ってだけでこんなにも遠く感じる。」

涙が溢れないように空を見上げながら言葉を零す。助けると言葉にしたのに何も出来ない自分が悔しかった。


エースもprincessと同じように空を見上げた。空には3羽のカモメが飛んでいた。いつもと変わらない空。

「エース」

自分を呼ぶprincessの声にエースは空からprincessの方へと視線を変えた。

「私………ううん、何でもない。」

今言う言葉ではないと突発的に言ってしまおうと言う感情がぶつかり合いprincessは躊躇ったものの結局言うことが出来なかった。

次第に見えてくる大きな正義の門。

「ーこちらオニグモーマリンフォード開門の準備をー」

ゆっくりと開かれる正義の門。その中へと進む軍艦。三日月形のその島。いつもと違う緊張の高まった光景にprincessは息を飲む。

そして、princessの乗る船は着港し、マリンフォードの地と繋がった。エースは椅子と巻かれた錠と足の錠を外され指示されるがままに沢山の海兵に囲まれ船から降りた。その光景を後ろから見るprincessは次第に離れて行くエースを見つめ底知れぬ哀感に襲われた。


「エース…」

目を潤ませポツリと零す。


「……princess…」



突然肩に添えられた温かい大きな手。

「…ジィちゃん…」

princessは顔をあげガープを見上げた。目を赤くし潤ませるprincessを見てガープは歯を噛み締め惜しい表情をした。

「エース…エース!!!!」


princessの震える声にピタリと足を止めるprincessの方へと振り返るエース。そしてprincessはガープの手を払いのけエースの元へ駆け出した。そのprincessの行動にガープはprincessへと手を伸ばしたが届くことはなかった。

そして周りにいる海兵はprincessへと掴みかかった。

「触らないで!」

princessの声と強い覇気に周りにいた海兵は突然パタリと倒れ、princessは海兵達から解放されエースの元へ行くため駆け出そうとしたすると両腕を取られ身動きがとれなくなった。

「…!クザン!離して!」

princessは更に覇気を強く放った。しかし、クザンには効くことがなかった。海兵に錠を引かれエースはprincessと目を交わしまた歩き始めた。

「エース…!!エース!!!私まだ…貴方を失いたくない…!」

その場に崩れ落ち俯き泣き叫ぶprincessにエースは目を強く閉じ惜しむことしか出来なかった。

「ジィちゃん…エースをどうにか助けられないの…!!?私やだよ!こんなの嫌!!」

バッと後ろを振り向き泣き崩れたprincessの顔にガープは自分の無力さを惜しんだ。