火山灰


「むぅ〜〜〜〜、なんだか気持ち悪いなァ…」

火山灰が降ってきたことにより花見は中止となり
princessの腕の中にいるチョッパーが身を振い始めた。

「火山灰が毛皮に入り込んじゃった??あとで一緒にお風呂入ろっか。」

princessは自身の腕の中にいるチョッパーに笑みを浮かべ言った。

「風呂?」

「一緒に?」

そのチョッパーとprincessのやり取りを聞いて、反応したのはサンジとブルックだった。

「今日は風呂の日じゃねェけどなァ…うん、でも入るよ。気持ち悪ィし。」

お背中お流ししますよと楽しそうに笑むprincessに毛皮の気持ち悪さもあり眉を下げ笑み返すチョッパー。

するとブルックがチョッパーに詰め寄る。

「私もお風呂、ご一緒してよろしいでしょうか!だってほら!私の顔だって気持ち悪いんですよ!ヨホ、ヨホ、ホホホホ…ホ…」

自らの身を削った言葉を発した、ブルックはダウンしていった。

「自分で言っといて傷つくなよ。」

サンジは呆れながらブルックを見た。

「ヨホホ…、お風呂」

「はあ…俺もお背中お流しされてーよ」

「…却下です」

タバコに火をつけ一服し空を見上げながら言うサンジにきっぱりと冷めた言葉を投げかけるprincessだった。



そんな中ナミは真剣に指針に目を向けていた。指針はいつまでもくるくると揺れ、定まらない。

「おいナミ…なんか、思うところあんのか?」

フランキーが、雲行きについてナミにたずねた。

「火山灰が飛んできた、あの方向を指していたはずのログポースが、不規則に揺れはじめてる。奇妙な動き…まるで、親を失った迷子の子みたい…」

「はァ?迷子?どういうこった」


「たとえば、この火山灰を飛ばした噴火が、島そのものを吹き飛ばしてしまったとしたら…?」

「それで磁場が定まらなくなっちまったのか?」

首を傾けるフランキーにナミが説明した。


「そんなバカな…!」

「ここは新世界よ。」

フランキーが笑い飛ばそうとすれば、ナミがきっぱりと言った。


「つきましてはナミ〜……その指針、絶対に見せちゃいけねェ男がいるぜ。」

こっそりとナミに耳打ちするウソップ。


「そうね…より安全な航路を選び、クルーの命を守るのが私の仕事…!」

そう言い強い眼差しを向けるナミと同じようにウソップも紅茶を口に含む。

「おいッ!この針、おもしれェ動きしてんなァ!!そこ行こう!」

「「ブーーーッ!!」」

にょーんと首を伸ばして、ナミのログポースを覗き込んだルフィは、驚いたウソップとナミが噴き出した紅茶を顔に浴びた。

「しまったー!見られた!」


焦るウソップはルフィを何とか説得しようとするが、全く耳に入っていない。



「お〜い、みんな!進路が決まったぞ!準備しろォ!!」


そして、皆に声を張り上げるルフィ。


「しかしよォ…」

「私は航海士よ。行くと決まれば、どこへでも連れてってあげる…!ルフィ、見張りよろしく!」

「まかせろ!」


「何が始まるか分かんないけど腹くくんなさい!」


ナミはもう覚悟を決めた様にウソップの肩に手を置き首を横に振った。心配性のウソップを他所にルフィに見張りを頼んだナミは、フランキーにも舵を頼む。


「仕方ないでしょ。あいつがキャプテンだもん」