怒り


男の診察のため診察室の中にはチョッパーとルフィ。そして診察室の外ではprincess、ゾロ、サンジが待機していた。



「princessどうした。さっきから落ち着きがねぇな。」



ずっと同じ所をうろちょろと歩き回っているprincessに怪訝そうな表情を浮かべるゾロ。するとprincessは立ち止り少し冷や汗を浮かべゾロに顔を向ける。

「あの男の雰囲気…すごく似てるのよ。私が昔いた場所の…人たちと。」

そう言い眉をひそめるprincessの脳裏に浮かぶのは、以前まで自身が所属していた海軍の面々。そんなprincessを落ち着いた表情でゾロとサンジは一点を見つめる。

「もしかしたら…」

ドォォォン


「痛ェ…!海楼石のパンチは効くなァ…!」


扉が壊れる音とともにルフィが飛ばされてきた。ルフィは殴られた頬を押さえる。


「ルフィ!」

飛ばされたルフィの前に立ち大男を怒気のこもった表情で見上げる。ルフィの周りに集まった仲間たち。


「ナミさんたちは外へ。」

大男を鋭い目つきで捉えサンジはナミを外へ出す。


「麦わら帽子…お前は、何ゆえ海賊などをやっている。」

「海賊王になるためだ。」

大男がじりじりと歩み寄りルフィに問う。ルフィは口元をぬぐって不敵にも口元を歪ませまっすぐな目で答えた。


その言葉に、大男のサングラスの下の瞳がくわっと見開かれた。

「海賊王………海賊王かァ〜!!」


火がついたように、その大男は右腕を振り上げた。ルフィ、サンジ、ゾロと次々と攻撃するもビクともしない大男。

「アクア・ボール」

大男がルフィ、サンジ、ゾロの攻撃に夢中になる中、隙をつき男の背後に回り自身の能力を使おうとしたprincess。

「誰に教育を受けたか…能力に頼りすぎだ。」

しまったと目を見開くprincess。
大男はすばやく自身の背後に回ったprincessに口元に笑みを浮かべ鋭い目を向け海楼石で作られた義手でprincessを捕まえ投げ飛ばす。壁へと叩きつけられるprincess。

「princess〜!!!…この野郎お前!よくもprincessを!!」

飛ばされたprincessを見てから再度大男を睨みつけ口を噛みしめるルフィ。


ドガッ!!
ガガガガ…!!

突然の衝撃にサウザンドサニー号がぐらつく。



「…来たか!!」


悠然として、大男は振り返った。