「は…油断した…力が…抜ける…」

眉をひそめその場に崩れ落ちるprincess。それと入れ替わるように水の輪が消え体勢を立て直すビンズ。

「それは海楼石で作られたものよ。」


自身を見降ろすアインにprincessは悔しい表情を浮かべた。さらに投げ飛ばされたゾロ、サンジをビンズがツルで縛り上げた。

攻撃の影響で爆発し船のあちこちに火が燃え上がる。
そして、その燃え上がる船室から、大男ーＺが義手の爪にルフィを捉え現れた。


「ルフィ…！！！」


「この程度で海賊王になるとか…笑わせる。」


海楼石により苦しみながらも名前を叫ぶprincess。麦わらの一味は絶体絶命だ。
Ｚはニヤリと笑ってルフィを掴んだ爪を掲げた。

「このまま握りつぶしてやろうか………名乗れ！！」

「………モンキー・Ｄ・ルフィだ！」

「そうか、お前がガープの孫か」


精一杯声を出すルフィを見て、ルフィを芝生甲板の上に投げ捨てた。


「ご無事で何よりです。」

「先生！」

Ｚの元へと集まるアイン、ビンズ。そしてＺはこの船への一斉攻撃を命じた。

「おれはNEO海軍総帥ゼット！！ゼットは全ての海賊を滅亡させる！せいぜい生き延びろよ、海賊王！！」


そう吐き捨てるとＺの言った通り、何隻もの軍艦が一斉にサニー号へと砲撃を始めた。抵抗もなくまともに無惨に吹き飛ばされていくサニー号。


「待てェェ！！勝負は！勝負はまだ終わってねェぞォォ！！」


ルフィは爆風に帽子を押さえながらも声を荒げた。ナミとチョッパーはゾロとサンジの縄を解こうとするが頑丈な故に爆発の揺れで上手くとれない。

「ルフィ！脱出しましょう！」

「ぐぅ…！！」

ロビンが冷静ながらも少し焦りを見せる。ルフィは悔しさを振り切り縛られているフランキーの縄を解いた。フランキーはポーズを決め急ぎ舵を取り、ルフィは砲弾を弾き返す。


「緊急脱出！クードバースト！！」


皆は飛ばされないように手摺りに捕まったり仲間同士で支え合う。そんな中、海楼石により弱っているprincessにルフィは駆けると、腕の中へ支えそのまま側の手摺りに捕まった。

「…ルフィ…」

苦しそうな表情を浮かべ名を呼ぶprincessを見てぐっと唇を噛み締めた。

そしてサウザンドサニー号は煙を切り空に飛び上がった。