無事脱出することの出来た麦わらの一味は、焼けてしまったサニー号を修理するためにドックのある島に着港していた。


「アウッ！サニーはおれが完璧に直してやる！」

フランキーは、傷ついたサニーを見つめるルフィに声を上げた。
かなりの損傷を受けたサニー号。

「ちょっとだけ時間がかかるが…その間、お前はＺを追うんだろ？」

「ああ！サニーを頼む！」

ルフィは鼻息を荒くして言う。そんな中、気を失っていたprincessが目を覚ました。

「みんな!!!princessが目を覚ましたぞ!」

まだはっきりとしない視界の中で幼いチョッパーと目が合う。良かったと安心したようにprincessに暖かい目を向ける一味。そしてルフィは勢いよく満面の笑みを浮かべprincessに抱きつく。

そんなルフィに精一杯の声をあげた。


「ルフィ‥聞いて。私のポケット‥その中に鍵があるの‥それで‥外せるはず‥」

princessの言葉にルフィは、おおと言い急いでprincessのパンツのポケットに手を入れる。するとそこから鍵が出てきた。その鍵をprincessの腕にある海楼石にはめると海楼石は地面へと落ちた。

「ん〜!!!力が、戻ってきたぁぁ!!!」

先ほどの力が抜ける感覚がなくなったprincessはその場で腕を伸ばす。

「princess海楼石の鍵なんか持ってたのか??」

「違うの。あの女の人、何を思ったのか鍵を私のポケットに入れたのよ。」

感謝するべきなのかと目の前にいるチョッパーを腕に抱えるprincess。

「princessもう少し休んでても大丈夫だぞ。」

「うんうん、もう大丈夫。ずっと側にいてくれたんだね。ありがとう、チョッパー。」

心配そうに目を交わすチョッパーにprincessは笑みを浮かべ、お金の整理をしているナミを囲う様に集まる皆の元へ向かった。

「princess!もう大丈夫なの??」

「うん。大丈夫だよ。」

少し面影の残る幼いナミに笑みを浮かべるprincess。するとprincessの腕の中にいるチョッパーが申し訳なさそうな表情を浮かべる。

「…ごめんな。おれがあのゼットを助けるっていったばかりに…」

「誤るな」

「海賊なら自分の信念に従ってやったこと後悔するんじゃねェお前は悪くない俺たちはわかってる。」

「ありがとう」

チョッパーを慰めるように言葉をかけるゾロとサンジ。ナミも優しい笑みを浮かべる。


「ネオ海軍…Ｚって、何者なんだ？」

「おれたちが海賊だってわかったら、いきなり襲いかかってきたんだ！」

次への話題を提示するウソップ。チョッパーが説明した。

「チッ！あのビンズって野郎の能力も厄介だぜ。」

「とにかく次は、きっちりカタをつけてやる！根性出したサニーのかたきも討たねェとな。」

「うん。サニーの頑張りがなかったら私たち全員海に沈められてたかもしれないしね」

「ネオ海軍を捜し出して、ちゃんとお礼をしなきゃね。」

皆が報復の気持ちに燃える中ビビり、島でおとなしくすることを提示するウソップだったが、ナミ、チョッパー、ロビン、ブルックがアインの能力により姿を幼くされてしまったことに不満を持ちウソップの提案は無しとなった。

「私たちがもとに戻るには、Ｚとネオ海軍の情報を、集めるしかないわね…。」

しかし一味が降り立った島は見渡す限り一面森で広がっていた。どうしようもできず沈黙する。すると、サニー号の修理にあたっていたフランキーの元に、老人が訪れていた。

「アウッ！爺さん、何か用か？ドックの使用料ならうちの航海士に言ってくれ。」

「またＺがでおったか。」

その老人が言葉を出す。

「爺さん、Ｚを知ってんのか？」

「ここしばらく、やけに多くの海賊船が襲われて、このドックに運び込まれている。重傷を負った海賊は、みな口をそろえてＺにやられたといっておるのじゃよ。」