海列車


「お爺ちゃん、最近はドックにお客さんが来ると、Zにやられた海賊の話ばっかりなんですよ。」

場面は変わり、老人モブストンの自宅の縁側に通されお茶と共にモブストンの孫娘の話に耳を向けていた。ここは船の修理、ドックの貸し出しを稼業にしていて海軍にやられて壊れた船の下取りなどもしているらしい。

「お爺ちゃんはもとは船乗りで、海賊だろうと何だろうと、わけへだてなく面倒見ちゃうんです。」

「わしはこの新世界の海に命をかけて、夢を求める連中が好きなだけなんじゃ。弱肉強食が大海賊時代の理なれど、Zに徹底的にやられて…心を折られて、この島で航海をあきらめた。男達の自由を奪っている。わしはそれが我慢ならん。」

熱く語るモブストン。

「おぬしたちがZにやられても、なおZに立ち向かうというなら、わしは、あきらめていった海賊が残していった最強装備をおぬしたちに渡したい。」

「「「最強装備!?」」」

ルフィ、チョッパー、ウソップがその言葉に瞳をキラキラさせた。

「ちょっと待って。」

「何だよナミ?最強だぞ、最強!」

ナミに止められたルフィは、不服そうにナミを見た。

「最強の前に…Zを見つけないとダメでしょ。それにZの攻撃で私たちの服、全部燃えちゃったから。それも調達しないと…あんた達、いつまでもバカげた花見宴会の格好じゃZのこと探るにも目立ち過ぎて支障をきたすじゃない!」

ナミの言葉に納得するように黙って聞く一味。ナミがピシッとルフィに指を立てた。以外にもルフィは素直に理解したようにうなずいた。

「おう!わかった!」

「ナミちゃんは小さいのにしっかりしてるのねえ。」

孫娘はナミのしっかりとした態勢に感心し笑みを浮かべた。しかしナミは自身の今の体格の状態と発言が似つかわしいと感じたのか少し揺らいだ。

「すみません。ここのどかですごく落ち着く場所なんですけど大きな街とかってありますか?」

色々と得なければならない物があるためそれを得るためにふさわしい街があるのか問うprincess。

「この島は、うちのドック以外何もないのよね〜…。となりの島に行ったらどうかしら?温泉と火山観光で大人気なのよ!最近は海列車が走るようになって、すっごい栄えてるの!」

その孫娘の言葉に、ナミはハッとした。

「海列車って…あの海列車?」

そして一味はモブストンの自宅から小さなプラットホームで海列車を待っていた。海列車の線路でバランスをとって遊ぶナミを水を操りシャボン玉のようなものを作りホームから落ち着いた笑みで見るprincess。すると海列車の汽笛の音が遠くから聞こえてきた。

一味たちは、ホームへとやって来た海列車に乗り込んだ。