欲しい


「レイさん、どうして泣いているの?」

彼の頬に手を当て親指で涙をすくった。その行動に驚いた様にレイさんは私を目で捉える。

なぜレイさんが泣いているのかその理由は、わかる。広場にある大きな大画面に映し出されている映像に目を向けた。
白ひげが死んだのだ。
海賊とは無縁の私には、白ひげがどうなろうと何も思わない、けど今目の前で涙を流す彼。
この人を泣かしてしまうほどの白ひげの存在。

「なんか、嫉妬する」

ポツリと言葉を零すとレイさんは更に驚きの目を私に向け、そして骨格を上げ短く笑った。


「君は、こんな老いぼれたジジィの涙が欲しいのかい」

そう問い私の顎を捉え唇をなぞるレイさん。そんなレイさんを目に少し涙を浮かべ細めに見つめうっとりとする。

「princess…言ってごらん」

グイッと顔を寄せてくるレイさん。近いよ。恥ずかしくて目線を下げると捉えられた顎を上に上げられる。そんな強引な彼の行動に更にキュンッとしてしまう。そして笑みを零す。


「うん…欲しい。」

彼の目をしっかり見てそう言うと「上出来だ」とレイさんも笑みを浮かべ私に優しく触れるだけのキスをした。




自分でも何が書きたかったのか謎です。しかし、レイさんの流した涙。そこに大人の色気を感じてしまいました。