期待の少年
新しい土地に来て、いきなり懐かしい知人に会えたプリンセス。そして、サトシ達も予想だにしない人物に会えたことに高ぶり、プリンセスに様々な質問をしたりしていた。次々と投げかけられる質問に気が焦るも、しっかりと応えるプリンセス。
「プリンセスさんは、カロスでもバッジを集めてリーグ戦に挑むんですか?」
「んー。今回は、そういう旅はしないかな。のんびりまだ知らないポケモン達と出会おうと思っててね」
セレナの質問に応えると、ようやく質問の嵐が収まった。するとサトシの強いの眼差しがぶつけられる。
「サトシくん、良い目してるね」
その強い眼差し。心が踊らされる。プリンセスはカバンからモンスターボールを取り出し、サトシの前に2つ見せつける。
「生憎、2匹(ふたり)しか連れて来てないの。‥それでも大丈夫ならシングルでどう?」
「もちろんです!」
ポケモンセンターの外にあるバトルコートに移動し、向かい合うサトシとプリンセス。セレナとシトロン、ユリーカは、今から始まるバトルに胸が高鳴っていた。
「5つの地方の元チャンピオン‥その人のバトルが観れるなんてこんな貴重なこと無いぞ」
「そうね!‥‥そんな人とバトル出来ることにサトシ凄く嬉しそうな顔してる」
久しぶりに立つバトルの舞台にプリンセスは口元に笑みを浮かべる。
「プリンセスさん!手加減はなしてお願いします!」
そう声を上げるサトシに、私は承知の声を上げた。プリンセスは当たり前の様に手加減をしようとしていた。これからの世代である少年に敗北を味わせるより勝利を味あわせる方が良いと考えていたから。そして、自分は大人だ。本気で戦うと言ってやはり大人気ない事は少し気が引ける。
しかし相手から懇願されてしまえば、もう仕方がない。本気でいかせてもらうよ。
「ルールは使用ポケモン数二体のシングルバトル。‥はじめ!」
さて、初めはどちらの子を出そうか。手の中でボールを転がし、そして強く握り投げる。
「ー!お願い」
やる気十分の声を上げ出て来たのは、プリンセスの家のお留守番を担当していた子だった。
「頼む!ピカチュウ!」
サトシの方もピカッと、ピカチュウがやる気を備えた声を上げる。そしてプリンセスは久しぶりに感じるこの、お互いが真剣に本気でぶつかり合うバトルにどこか胸の底からジュワジュワと炭酸の様に湧いてくる高ぶる気持ちを感じた。そして第一声を放ちパートナーへ命令する。プリンセスのパートナーが繰り出した技を、サトシの指示で避けようとしたピカチュウ。しかし流石、元チャンピオン。ピカチュウの素早さをさらに超える力を持っている。見事にピカチュウへと技を命中させた。翻るピカチュウ。
「ピカチュウ!!」
確実に避けることができると思ったサトシは予想だにしない出来事にパートナーの名前を叫ぶ。プリンセスは、その動揺するサトシに真剣な眼差しを向ける。
「‥甘い!ウチの子を舐めちゃいけないよ」
「5つの大陸を渡り歩いてきた子なんだから」とさらに扇動する。するとサトシは、その言葉にスイッチが入った様にピカチュウへと指示する。
「ピカチュウ!アイアンテール」
プリンセスのパートナーに近づいてくる鋼鉄の様に力を持った尾。
「‥ー。とめて。」
「ええ!避けないの!?」
プリンセスの指示に、驚愕する一同。セレナは思わず声を上げてしまう。シトロンは息を呑みそれを見守る。サトシは、そのプリンセスの挑戦にいっそう活気付く。プリンセスもそのパートナーも涼しい顔をしていた。
そして、ピカチュウのアイアンテールはプリンセスのパートナーに当てられたが、特に表情を変える事なくアイアンテールを止める。この時、サトシはやはりチャンピオンまで登り詰めた実力の持ち主とそのパートナーは違うと突きつけられた。
「サトシくん!貴方、ポケモンマスターになりたいのよね!‥貴方には素質があると思うの。‥でもね、だからこそポケモンマスターの強さを見せてあげる!」
その言葉が合図だったかの様にプリンセスのパートナーは素早く動き出した。サトシくん、これがポケモンマスター。言葉なしに心で繋がっているの。貴方とピカチュウの間にも凄く熱い絆を感じるけど、あたし達はそれ以上よ。
プリンセスのパートナーの繰り出す技がピカチュウに命中する。たったその一撃で、足をふらつかせ倒れるピカチュウ。その超人を変える様な強さにその場にいたサトシ、セレナ、シトロン、ユリーカは改めてそのプリンセスという人物を大きく感じた。
そして、二体目に出てきたサトシのポケモンもあっという間に、ひん死状態になってしまった。そして、当たり前の様に敗北するサトシ。すぐに、ポケモンセンターに向かい、ピカチュウ達を預けるサトシ。
サトシはプリンセスの前に立ち、一度悔しそうに帽子を深く被ってから深呼吸をし、プリンセスを見る。
「プリンセスさん!本気でバトルしてくれてありがとうございます!‥おれ、もっと強くなります!そしたらまたバトルしてください!」
サトシのその目は敗北で喪失感もあるもののキラキラとしていて消して敗北感を味わっただけではないどこか強いものを感じた。そんな期待の少年トレーナーを目にプリンセスは嬉しく、つい笑みが溢れる。
「うん!是非!」
そして、サトシとプリンセスは強く熱い握手を交わした。
「プリンセスさんは、カロスでもバッジを集めてリーグ戦に挑むんですか?」
「んー。今回は、そういう旅はしないかな。のんびりまだ知らないポケモン達と出会おうと思っててね」
セレナの質問に応えると、ようやく質問の嵐が収まった。するとサトシの強いの眼差しがぶつけられる。
「サトシくん、良い目してるね」
その強い眼差し。心が踊らされる。プリンセスはカバンからモンスターボールを取り出し、サトシの前に2つ見せつける。
「生憎、2匹(ふたり)しか連れて来てないの。‥それでも大丈夫ならシングルでどう?」
「もちろんです!」
ポケモンセンターの外にあるバトルコートに移動し、向かい合うサトシとプリンセス。セレナとシトロン、ユリーカは、今から始まるバトルに胸が高鳴っていた。
「5つの地方の元チャンピオン‥その人のバトルが観れるなんてこんな貴重なこと無いぞ」
「そうね!‥‥そんな人とバトル出来ることにサトシ凄く嬉しそうな顔してる」
久しぶりに立つバトルの舞台にプリンセスは口元に笑みを浮かべる。
「プリンセスさん!手加減はなしてお願いします!」
そう声を上げるサトシに、私は承知の声を上げた。プリンセスは当たり前の様に手加減をしようとしていた。これからの世代である少年に敗北を味わせるより勝利を味あわせる方が良いと考えていたから。そして、自分は大人だ。本気で戦うと言ってやはり大人気ない事は少し気が引ける。
しかし相手から懇願されてしまえば、もう仕方がない。本気でいかせてもらうよ。
「ルールは使用ポケモン数二体のシングルバトル。‥はじめ!」
さて、初めはどちらの子を出そうか。手の中でボールを転がし、そして強く握り投げる。
「ー!お願い」
やる気十分の声を上げ出て来たのは、プリンセスの家のお留守番を担当していた子だった。
「頼む!ピカチュウ!」
サトシの方もピカッと、ピカチュウがやる気を備えた声を上げる。そしてプリンセスは久しぶりに感じるこの、お互いが真剣に本気でぶつかり合うバトルにどこか胸の底からジュワジュワと炭酸の様に湧いてくる高ぶる気持ちを感じた。そして第一声を放ちパートナーへ命令する。プリンセスのパートナーが繰り出した技を、サトシの指示で避けようとしたピカチュウ。しかし流石、元チャンピオン。ピカチュウの素早さをさらに超える力を持っている。見事にピカチュウへと技を命中させた。翻るピカチュウ。
「ピカチュウ!!」
確実に避けることができると思ったサトシは予想だにしない出来事にパートナーの名前を叫ぶ。プリンセスは、その動揺するサトシに真剣な眼差しを向ける。
「‥甘い!ウチの子を舐めちゃいけないよ」
「5つの大陸を渡り歩いてきた子なんだから」とさらに扇動する。するとサトシは、その言葉にスイッチが入った様にピカチュウへと指示する。
「ピカチュウ!アイアンテール」
プリンセスのパートナーに近づいてくる鋼鉄の様に力を持った尾。
「‥ー。とめて。」
「ええ!避けないの!?」
プリンセスの指示に、驚愕する一同。セレナは思わず声を上げてしまう。シトロンは息を呑みそれを見守る。サトシは、そのプリンセスの挑戦にいっそう活気付く。プリンセスもそのパートナーも涼しい顔をしていた。
そして、ピカチュウのアイアンテールはプリンセスのパートナーに当てられたが、特に表情を変える事なくアイアンテールを止める。この時、サトシはやはりチャンピオンまで登り詰めた実力の持ち主とそのパートナーは違うと突きつけられた。
「サトシくん!貴方、ポケモンマスターになりたいのよね!‥貴方には素質があると思うの。‥でもね、だからこそポケモンマスターの強さを見せてあげる!」
その言葉が合図だったかの様にプリンセスのパートナーは素早く動き出した。サトシくん、これがポケモンマスター。言葉なしに心で繋がっているの。貴方とピカチュウの間にも凄く熱い絆を感じるけど、あたし達はそれ以上よ。
プリンセスのパートナーの繰り出す技がピカチュウに命中する。たったその一撃で、足をふらつかせ倒れるピカチュウ。その超人を変える様な強さにその場にいたサトシ、セレナ、シトロン、ユリーカは改めてそのプリンセスという人物を大きく感じた。
そして、二体目に出てきたサトシのポケモンもあっという間に、ひん死状態になってしまった。そして、当たり前の様に敗北するサトシ。すぐに、ポケモンセンターに向かい、ピカチュウ達を預けるサトシ。
サトシはプリンセスの前に立ち、一度悔しそうに帽子を深く被ってから深呼吸をし、プリンセスを見る。
「プリンセスさん!本気でバトルしてくれてありがとうございます!‥おれ、もっと強くなります!そしたらまたバトルしてください!」
サトシのその目は敗北で喪失感もあるもののキラキラとしていて消して敗北感を味わっただけではないどこか強いものを感じた。そんな期待の少年トレーナーを目にプリンセスは嬉しく、つい笑みが溢れる。
「うん!是非!」
そして、サトシとプリンセスは強く熱い握手を交わした。